10月17日発売予定の次号の特集は「みんな、なんでカフェに振る!?」で進めています。

ファストフード各社が、次々とカフェメニューを強化したり、新たにカフェ業態を立ち上げたりしているのが気になっていたことと、カフェや喫茶のカテゴリーが、レストランや居酒屋業界に比べて比較的堅調に推移しているからです。

この特集の1社として『コメダ珈琲店』のコメダ(本社・名古屋市、安田隆之代表執行役CEO社長)http://www.komeda.co.jp/index.php

にも登場していただきます。

横浜本部が併設されている『コメダ珈琲 横浜江田店』。田園都市線の江田駅から徒歩5分の住宅街への入り口にあるこの店は、2003年に関東1号店として出店され、今は首都圏の研修店舗としても使われています。今年7月には、オープン9年目にして、最高売上高の1500万円を売ったそう

取材は、この10月1日付けで取締役会長になられた布施義男さん、開発部次長の田中啓文さんに応じていただきました。

原稿では文字数の制限があって書けなかったのですが、出店を加速させているコメダ珈琲店は、「足立竹ノ塚店」「ダイエー南行徳店」「金山二丁目店」「八尾高日店」の4店舗の開店日が3月11日の東日本大震災発生日にぶつかってしまったそうです。オープンの激励に店舗間を移動されていた布施さんは、「一時消息不明になり、連絡が取れずに本部スタッフが青くなった」場面もあったようです。

せっかくのオープン日があの大震災とぶつかってしまった、特に関東エリアの足立竹ノ塚店とダイエー南行徳店は、大変な思いをされたことと思います。関係者の方々にお見舞い申し上げると共に、是非、「あの大震災の日にオープンしたからこそ成長できたと思う」といったお話を、いつかオーナーからお聴きできるようなご発展を願っています。

コメダの取材当日に「なごやかコメダ」という小冊子(2011年6月号)をいただき、取材帰路の電車の中で拝読していたら、「社長メッセージ」部分にあった布施さんの文章に、「そうそう、これこそがフランチャイズの強さですよ」と感じられるとてもいい一文を見つけたので、ここで紹介させていただきたいと思います。

【まごころ込めて、さらに一歩“くつろぐ、いちばんいいところ”へ】

東日本大震災で被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。

今回の大震災は、空前未曾有の大災害です。直接被災されました方はもとより、停電・放射能漏れ等によりまして、日本だけでなく世界中の人々に不安や実害を与えることとなりました。

そんな中、一つ、心温まるお話を聞きました。

震災当日、交通機関が止まり、東京で仕事をされています方々の多くは、徒歩での帰宅を余儀なくされました

道路沿いの飲食店は、多くのお客様であふれていました。

そのような中、ある直営中心のチェーン様におきましては、マニュアルが徹底されていました。

①     大きな地震が発生したら、速やかにお客様を店外に撤退させること。もちろん、食事中のお客様も直ちに待避です。

②     食材がなくなったら閉店すること。

一方で、フランチャイズ店主体の大手チェーン様におきましては、オーナー様、店長様の独自の判断で、売るものがなくなった後でも閉店せずにトイレや休憩の方々に店舗を開放されていたそうです。

何時間も歩いて疲労困憊の人々は、その対応に本当に心より感謝されていたとのことです。

どちらの対応が良かったかのコメントは避けさせていただきますが、困った時の助け合いの精神は大切にしていきたいと思います。(以下、略)

『コメダ珈琲店』名物の「シロノワール」。名古屋のお店で食べて以来、数年のご無沙汰をしておりましたが、取材後に久しぶりにいただきました。フードメニューはどれもボリューム感と手作り感があっておいしかったです

フランチャイズ店は、本部のノウハウを使って運営していますが、経営母体は別会社です。フランチャイズの何よりの強みは、

「地域に密着した商売」を、その地域に根ざしてご商売をされているオーナーが経営に当たられていることです。

自社がお世話になっている地域の人々が困っているのを見て、マニュアル通りの対応は出来なかったけれど、経営者の英断によって新たなファン、一層、地元の人々との絆を深められたお店もあったのではないでしょうか。

直営チェーンの店長の場合、「転勤」でその地域で業務遂行している場合も多々あります。それだけに、3・11に東日本大震災に見舞われたお店でも、店長は本社との連絡が取れず、マニュアル通りの対応で乗り切らざるを得なかったお店も多かったと思われます。

でも、フランチャイズ店のオーナーは経営者ですから、後々、そのFC店がマニュアルにない対応をして問題になったとしても、「上司と部下」ではなく、本部と「経営者同士」の立場で話し合うことができます。フランチャイジーはサラリーマンじゃないですから。

コメダ会長の布施さんは、どちらがいい悪いのコメントは避けつつも「困った時の助け合いの精神は大切にしていきたい」と宣言されていますが、まさに、この緊急時のフランチャイズ店の経営者や店長の対応力こそ、フランチャイズの強さであり醍醐味だなと思いながら拝読しました。

コメダ珈琲店は、「お客様にご家庭の応接間・リビング」のように「くつろぐ、いちばんいいところ」を目指されているそうです。

外資系の尖ったカフェとはちょっと違う喫茶店として、今、再度注目されて躍進中です。半径3キロ、車で10分圏内を商圏に考えておられるそうですが、その客層の幅の広さは、他のカフェにはない特長です。

確実に地元の常連客に支持されて存立しているので、バブル経済の恩恵は受けなかったけれど、リーマン・ショックによる不況もほとんど関係ないという、いまどき珍しいチェーンであることは間違いありません。

40余年の間に蓄積された「お客様目線」の店造りやメニュー開発、店舗運営等々が、「経営者側の効率重視」で作ったようなカフェとは違う強さを発揮しているようです。

今期はメニューブックの改定もされ、新商品も投入。

「店を磨く。サービスを磨く。商品を磨く」の【三磨】活動の取り組みも強化しているそうです。

次号の特集、そして『コメダ珈琲店』の記事も楽しみに待っていてください。