コンビニエンスストア大手のファミリーマート(本社・東京都豊島区、上田準二社長)が1月17日から全国約200の店舗で「中国銀聯」カードの決済サービスを開始しました。
皆さんはこの「中国銀聯」カードが国内の小売り・サービス市場で急速に存在感を高めているのをご存知でしょうか?
そもそも中国銀聯というのは、中国国内の銀行間決済ネットワーク運営会社であり、その設立は中央銀行である中国人民銀行が中心となって中国政府の主導で行われているそうです。現在は中国国内を中心に400近くの金融機関が参加をしています。
今では中国国内のほぼ全てのキャッシュカードに銀聯ブランドが付与されていて、世界の銀行カード総数の約30%に当たる約26億枚が発行され、発行枚数で世界最大の銀行カードになっているのです。つまり中国国民のほぼ全員が銀聯カードを保有していると言っても過言ではありません。
その特徴はクレジットカードではなく、与信の簡単なデビットカード(=キャッシュカード)である点です。国外への元の現金持出制限は1万元(1元=約12円強)までですが、銀聯カードを利用すれば口座残高の上限まで(キャッシュカードの場合)買物ができるという旅行者にとって誠に使い勝手のいい利便性を備えています。
日本国内でも三井住友銀行をはじめとして三菱東京UFJ銀行、ゆうちょ銀行、セブン銀行、京都銀行のATMで利用が可能で、利用可能な加盟店も三井住友カードや三菱UFJニコス、イオンクレジットサービス、ジェーシービーとの提携によって急速にその数を増やしています。
特に中国人観光客に人気の高い百貨店業界ではファッションに強い伊勢丹や三越、髙島屋、松屋、西武、東武、松坂、東急、小田急、マルイの各社で利用が可能です。家電量販店業界も中国資本の蘇寧電器グループであるラオックスを筆頭にヨドバシカメラ、ビックカメラ、コジマなど大手各社が訪日観光客の旺盛な購買欲をキャッチアップするための取り組みに余念がありません。
今回のファミリーマートの発表は、国内のコンビニ業界が訪日観光客需要の本格的な取り込みに先鞭をつけたものと言えますが、既に海外店舗数が1万,967店と国内(8737店)を超えたグローバルブランドへ成長中のファミリーマートにとっては必然の流れです。中国国内でも766店舗を展開するだけに「中国にあるチェーンなので銀聯カードが当然使えると思って来店されるお客様も多かった。決済サービスの導入によって、お客様サービスの向上と機会ロスの低減に取り組みたい」(同社広報IR部)と語っています。
ちなみに他のコンビニで銀聯カードを導入しているのはローソン(21店舗)とセイコーマート(41店舗)のようです。フランチャイズ産業界にとっても軽視することができない中国のマネーパワー。各社がどのような取り組みを見せるのか、今後も注目していきます。
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