過去連載 2012/12/13 公開

「【小売FC】の特徴と注意点」By コーチングのプロ・石川和夫

外食やサービスのフランチャイズを利用するお客様は、「○○ラーメンが食べたい」「◇◇を利用したい」など明確な目的を持って来店します。しかし、小売業のフランチャイズの場合、明確な目的を持っていないお客様も来店します。そのお客様に店側としての「売りたい商品」を買っていただくことができるかどうかで、小売フランチャイズビジネスの成否が分かれると言っても過言ではありません。

先日、モスバーガーにテレホンオーダーをして商品を取りに行ったところ、「ご注文ありがとうございました。電話代の10円です」と袋に入った10円をいただきました。たかが10円ですが、この心遣いでとても嬉しく、久しぶりの食べたモスバーガーがよりおいしく感じられました

そのためには、3つの段階でお客様にアプローチすることが必要です。
まず1つ目は「来店を促すサービス」、2つ目は「売れる商品」、3つ目は「売りたい商品」です。これらを品揃えや店作りにどのように活用できているかがポイントになります。

例えば、コンビニには「来店を促すサービス」としてトイレの利用があります。買う目的はなくてもトイレを利用するという経験は多くの人が持っていることでしょう。また、携帯電話やネット通販などの代行収納業務、さらにはATMの利用などのためにコンビニを利用する方も多いでしょう。

代行収納業務やATMの利用はその金額に関らず、店が受け取る手数料は1件当たり10円から30円と低額なので利益としての貢献度はあまりありません。しかし、来店動機にはなりますから、このようなサービスで店に来ていただくということは必要です。

次に「売れる商品」ですが、その代表格はなんと言ってもタバコでしょう。しかし、このタバコ、嗜好品なので種類をたくさん置かなければ多くのお客様の来店を促すことができないため、在庫金額がかさみます。その上に粗利益率が約10%であるため、在庫負担の割には粗利益が取れません。

3つ目は「売りたい商品」です。

これは、お弁当やおにぎり、惣菜類やソフトドリンク、カウンターのおでんやフライヤー商品などの粗利益率が高いと同時に、他チェーンと差別化しやすいPB商品などです。

つまり、440円のタバコを1個売っても44円しか粗利益はありませんが、そのついでに200円のPB商品を1つ買ってもらえれば、80円程度の粗利益を得ることができるのです。

ですから、小売フランチャイズに加盟する場合には、このようなビジネスモデルがしっかりとしているチェーンに加盟することです。

また、加盟をしたら手間がかかる割には儲からず面倒だなどと言わず、「来店を促すサービス」や「売れる商品」にも積極的に取り組み、「売りたい商品」にお客様をつなげる接客と店作りに励むことが必要です。

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石川 和夫

筆者:石川 和夫

人材育成コンサルタント、中小企業診断士。1958年生まれ。法政大学経済学部卒、セブン‐イレブン・ジャパンでOFC(スーパーバイザー)として7年間勤務後、コンビニ3店、伊レストラン2店を12年間共同経営した後に独立。「コミュニケーション力アップ」ならおまかせ!著書に「スタッフの“やる気”を引き出す法則」(商業界)など