『築地 銀だこ』 「ついで商売」からの躍進

仕上げにオイルをかけることで、外側はカリカリ、中はふわっと仕上がっている
仕上げにオイルをかけることで、外側はカリカリ、中はふわっと仕上がっている

子どものころから、大好きなもの……。私にとって、たこ焼きはそのひとつです。
親に連れられて食料品などの買い物に行くと、必ずスーパーマーケットの近くや商店街に「たこ焼き屋」がありました。
そう、たこ焼きは、究極の「ついで商売」の商品として長く生活に寄り添っています。
「ついで商売」とは何でしょうか?どんな事業があるのでしょうか?
スーパーマーケットやショッピングセンターの中や一角に出店する業態として、
クリーニング、生花、焼き物(たこ焼き、たい焼き、焼きそば、みたらし)、一時は写真のプリントショップもそうだったかもしれません。
それらは日常的に買い物をする場所(スーパーマーケット等)の近く、通勤・通学する駅の近くにあったら便利な業態といえます。主な買い物、通勤のついでに買い物をする=その商品/サービス自体が目的の来店動機としては成立しにくい事業ともいえますので、同業の競合他社との差別化の要素としては「立地」以外、見い出しにくい業態ともいえます。

ガラス張りの調理場は、お客様へのパフォーマンスの場でもあるが、調理人にはプレッシャー!?
ガラス張りの調理場は、お客様へのパフォーマンスの場でもあるが、調理人にはプレッシャー!?

そんなついで商売の典型である「たこ焼き専門店」でありながら、その“ついで商売”の概念から大きく飛躍したのが『築地 銀だこ』だと私は思います。
飛躍したことで、出店立地の幅が圧倒的に広がり、店舗数も格段に増えています。
他のたこ焼き店と味、食感で差別化し、美味しさを武器に躍進しています。
まず、食材が美味しい。タコは大きく、食感も柔らかく、インパクトがあります。
そして何よりもあのカリッふわ感です。たこ焼き器に仕上げにオイルをかけることで、外側をカリカリに、中をふんわり仕上げています。そのアイデアも素晴らしいですが、それを徹底して実践しているスタッフさんのオペレーションマネジメントの仕組みが凄いなと思います。暑さ(作業場)と熱さ(オイルの跳ね返り)、そしてガラス越しにお客様に見られているプレッシャー。厳しい職場環境の中での安定したオペレーションや人材確保は簡単ではないと思います。それを仕組みとして確立した点が素晴らしいと思うわけです。
懸念は、最近、価格が少し高くなってきているので、気軽に買いにくくなってきていること(8個入り:税込550円~)。

最近増えているたい焼き専門店『銀のあん』とのコラボ店舗。こういう取り組みも“ついで商売”からの脱却に大きく貢献
最近増えているたい焼き専門店『銀のあん』とのコラボ店舗。こういう取り組みも“ついで商売”からの脱却に大きく貢献

『築地銀だこ ハイボール酒場』への業態進化、『銀のあん』(たい焼き)を加えての業態の多様化も成功しています。
ついで商売の業態でも、躍進できることを更に実践して、魅力的な業態を作り続けてほしいなと思います。

採点星取表(最高★5
(1)料理(商品)とそれに対するコスパ ★★
(2)店舗内外装のデザインや居心地 ★★★
(3)接客とサービスの徹底 ★★★
(4)清潔(クレーンリネス)さの徹底 ★★★

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今週の調査隊員

脇田 知道(わきた ともみち)

“旅”と“食”と“酒”が趣味で各国料理にも詳しい 仕事が商品開発系のため、休日は彼女との食べ歩きがデートコース 特にトレンド系の店には必ず足を運ぶ「現場主義者」 コレステロール値と中性脂肪が既に気になり始めた30代!