『いきなりステーキ』、多店舗展開どこまで

国産牛サーロインステーキ、229gで2290円
国産牛サーロインステーキ、229gで2290円

飲食店のビジネスモデルの基本、売上高に対して原価率35%、人件費30%で組み立てて、その他経費(家賃、水道光熱費、その他諸経費)を25~30%にすることで、営業利益率で10%前後を確保する。
そんな概念をひっくり返した店舗が数年前に現れました。
『俺のフレンチ』『俺のイタリアン』など高級なレストランをイメージする料理を、格安で提供する代わりに立ち食いで回転率を高めることで利益を出す。
食材原価は、メニューによっては価格の80%や100%を超えるものもあるそうです。
コスパの良さと、フレンチを立ち食いするという常識を覆した内容で一時は店舗拡大が急加速しましたよね。
そのビジネスモデルに近い内容で、現在店舗展開が加速しているのが、『いきなりステーキ』です。

肉の注文は好きなだけの量を。その場で切り落としてくれます
肉の注文は好きなだけの量を。その場で切り落としてくれます

① 価格と美味しさ、肉のグラム量のバランス、いわゆるコスパが良い
② 立ち食い、テーブルセッティングなし
など、サービスを出来るだけ省く事でコスト削減。
③肉のグラム量が1グラム単位で自由に指定できる事で、客は使い勝手が良い
④「マイレージカード」の導入で来店頻度向上の仕組みができている(旅行代理店で配布するなど他社コラボレーションも積極的)
という特徴があります。

ナイフ、フォーク、ソース等は全て据え置き、テーブルセッティングはしません
ナイフ、フォーク、ソース等は全て据え置き、テーブルセッティングはしません

安さだけで差別化しているわけではありません。
「美味しいものをお得に、そのためにお客様へのサービスは少し簡略化します」といった訴求が、時代性に合っているのだと思います。
肉も美味しく、やはりお得感があり、ランチ時間はお客様が入れ替わり立ち替わりしていて、高回転率ビジネスを実践しています。

肉の種類は4種類。全てグラムあたりの価格(7円~10円)平日ランチは更にお得
肉の種類は4種類。全てグラムあたりの価格(7円~10円)平日ランチは更にお得

今後、どこまで店舗を拡大できるかと考えると、「立ち食い」+「高回転率」をどこまで徹底するのか、ということかと思います。
高回転率を前提にし過ぎると、客数を減らすこと→収益的に致命傷、になってしまいます。
客数×客単価で売上高は成り立っていますので、通常は、客単価を上げたり下げたりすることも売上高を確保する施策として検討できるのですが、『いきなりステーキ』は、客単価はあまり上げたりする事ができないので、客数が下がると売上高への影響が直撃してしまいます。

郊外店舗では、椅子付きの店舗も
郊外店舗では、椅子付きの店舗も

最近は、立ち食いではない店舗も出店し始めているようです。
この立ち食いではないビジネスモデルを成立させる事が出来れば、地方も含め、かなりの規模の全国展開が可能になるのではないかと思います。
最近は、『いきなりステーキ』で肉を沢山食べたことで(糖質カットすることで)、体脂肪率を落とす効果が出た、という口コミも広がっているそうで、今後の広がりが楽しみです。

採点星取表(最高★5
(1)料理(商品)とそれに対するコスパ ★★★★★
(2)店舗内外装のデザインや居心地 ★★
(3)接客とサービスの徹底 ★★
(4)清潔(クレーンリネス)さの徹底 ★★

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今週の調査隊員

脇田 知道(わきた ともみち)

“旅”と“食”と“酒”が趣味で各国料理にも詳しい 仕事が商品開発系のため、休日は彼女との食べ歩きがデートコース 特にトレンド系の店には必ず足を運ぶ「現場主義者」 コレステロール値と中性脂肪が既に気になり始めた30代!