『串カツ田中』の真の強さの秘密は?

“二度つけ禁止”のソースと、種類豊富な串カツは100円~
“二度つけ禁止”のソースと、種類豊富な串カツは100円~

昨今、総合居酒屋が厳しくて、専門性のある飲食店が伸びているというニュースをよく耳にします。単にデフレであれば安くてコスパが良ければ総合居酒屋の集客も問題ないと思いますが、今は単純なデフレではなく、モノ余り、オーバーストア状態の業界が多いと思います。
どこでも何でも手に入る。飲食であればどこの店舗でもそこそこ美味しい。そんなマーケットの中でどのような勝ちパターンを確立するか。

店頭の看板や店内はリーズナブルな大衆居酒屋を直感出来るよき出来栄え
店頭の看板や店内はリーズナブルな大衆居酒屋を直感出来るよき出来栄え

串カツ田中』は、1本100円~というリーズナブルで美味しい串カツを武器に、多店舗化を加速しており、最近、マザースに株式の上場も果たしました。
では、ここの魅力は、それだけなのでしょうか?
まず、大前提として、大阪の下町にある安くて美味しい串カツの味を上手に再現していること。筆者が大阪に住んでいた頃、新世界という通天閣界隈で食べた串カツは、100円前後と価格は安く、衣がサクサクで美味しく、“二度付け禁止”のソースが少し甘くてサラサラで独特の美味しさでした。それをキチンと再現してくれているのです。おそらく、本場・大阪の方が食べても、文句の出ない範囲の味なのではないかと感じています。

串カツは100円から。種類も豊富でついつい追加してしまいます
串カツは100円から。種類も豊富でついつい追加してしまいます

ただし、ここの魅力はこれだけではありません。
2つ目の魅力は、大阪の下町では見かけるけれど、全国的にはあまり知られていない居酒屋メニューが豊富です。
フードメニューでは、牛すじ土手、かすうどん、肉吸い、ちりとり鍋など。ドリンクメニューでは、赤玉パンチ、ガリ酎、冷やしあめ等がそうです。名前を聞くだけではよくわからないメニューですが、大阪の下町では普通にあるメニューです。またどれも美味しいのです。
そして、3つ目の魅力はイベント性です。店内ではじゃんけん大会が行われていました。スタッフさんとお客様が勝った負けたでキャーキャー盛り上がっています。結果、追加オーダーにもつながっているのです。メニューにもイベント性が感じられ、例えばポテトサラダなら、芋と味卵とカリカリベーコンが、すり鉢で混ぜる前の状態で出てきます。それを客がすって混ぜて食べるのですが、その行為がなかなか楽しいのです。

ポテトサラダは、混ぜる前の状態ですり鉢で提供。イベント性があって楽しい
ポテトサラダは、混ぜる前の状態ですり鉢で提供。イベント性があって楽しい

『串カツ田中』は、総合居酒屋ではなく、“串カツを看板メニューにしたリーズナブルな居酒屋”というだけではなく、メニュー施策としては以上の3つの魅力が満載なため、実際に飲食すると期待を大きく上回り、ついつい沢山注文してしまいますし、また行きたくなります。

大阪の下町メニュー。あまりなじみのないローカルメニューも楽しい
大阪の下町メニュー。あまりなじみのないローカルメニューも楽しい

これからの飲食店は、看板メニューは必須であり、それ以外の魅力や差別化をどれだけ盛り込めるかまでを考えないといけないのかなと思います。そういう意味では『串カツ田中』はまだまだ勢いよく店舗が増える要素満載だと思います。

採点星取表(最高★5
(1)料理(商品)とそれに対するコスパ ★★★★★
(2)店舗内外装のデザインや居心地 ★★★★
(3)接客とサービスの徹底 ★★★
(4)清潔(クレーンリネス)さの徹底 ★★★

本サイトで利用される画像・文章は筆者、トーチ出版または取材協力先及び素材提供元に著作権があります。 無断での転載や加工、再販等の行為は著作権法違反により罰せられます。

今週の調査隊員

脇田 知道(わきた ともみち)

“旅”と“食”と“酒”が趣味で各国料理にも詳しい 仕事が商品開発系のため、休日は彼女との食べ歩きがデートコース 特にトレンド系の店には必ず足を運ぶ「現場主義者」 コレステロール値と中性脂肪が既に気になり始めた30代!