「街の銭湯経営」独立開業で儲かる成功の極意。メリット・デメリットも解説。

  • 本記事では、いわゆる“昔ながらの街の銭湯経営したい起業家に向けた経営情報をまとめています。
  • そのため、飲食やマッサージ施設など、多様な施設を併設しているような『スーパー銭湯の開業がしたい』という起業家や新規事業担当者に向けては、別の記事で解説をしています。
  • 「スーパー銭湯経営・フランチャイズ開業で儲かる成功の極意。メリット・デメリットも解説。」については下記に、URLを記載しておきますので、ご覧ください。
    いわゆる街の銭湯を開業したい経営者にとっても、無視できない競合データとしてまとめてあります。
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目次

「街の銭湯経営」独立開業が儲かるメリット・失敗すると儲からないポイント

公衆浴場の地域別分布と市場特性

  • 総務省の調査データ等の、年間消費支出額と全国世帯数を掛け合わせると、銭湯の市場規模は1000億円を超える規模であることがわかる。
    マーケットサイズそのものはそれなりの規模であるものの、年間消費支出額の減少ペースは速く、成長率だけで見ればあまりポジティブな状況とは言えない。
  • 全国の公衆浴場施設数を見てみると、上位10都道府県が全体の40%以上を占めていることがわかる。
    大都市圏が多くを占める一方で、その他の公衆浴場では静岡県や長野県が上位に位置している。
  • 年間消費支出額が1,000円未満の都市も複数存在しており、都道府県によっても市場規模が大きく違うことから、開業エリアは非常に重要な論点であることが分かる。
    燃料費の高騰を背景に価格の改定が行われているが、概ね一般公衆浴場の大人料金は500円前後であり、単価としては低いビジネスである。
  • 厚生労働省の調査によると、住宅地区に施設数が最も多い。商業地区も多いが、工場・オフィス街や郊外の施設数は少ない。
    1施設当たりの平均客数では工場・オフィス街が最も多く、郊外の公衆浴場も多い。住宅地区と商業地区は平均以下である。客単価は工場・オフィス街が最も高く、次いで郊外、商業地区が続く。
    住宅地区の公衆浴場は最も低い客単価を示すが、これらの多くは価格上限が設定されている「一般公衆浴場」であるため、立地条件が直接客単価に影響しているとは限らない。

街の銭湯の歴史と文化的背景

  • 「街の銭湯」の歴史は古く、6世紀の日本に仏教が伝わった頃にさかのぼる。当時、寺院には僧侶のための浴堂が設けられた。大正時代には木造の風呂から陶器製のタイル風呂への移行が見られ、昭和時代には水道式の蛇口が普及した。
    戦後、都市部の人口増加に伴い、銭湯は全国に広がり、地域の交流の場として繁栄した。
    しかし、高度経済成長期には家庭風呂の普及や平成以降の「スーパー銭湯」の登場により、銭湯業界は競争が激化している。

街の銭湯の設備老朽化と経営課題

  • 公衆浴場(街の銭湯)の設備の老朽化も大きな問題となっている。
    厚生労働省の調査によると、業界全体では築年数20~29年の建物が最も多いのに対し、個人経営では築年数50~59年の建物の割合が最も高い。

公衆浴場利用者の傾向と市場動向

  • 街の銭湯の利用者は年々減少しており、2017年と2005年と比較してみると利用者数がほぼ半減している。しかし、1浴場当たりの平均入浴人員は増加傾向にあり、利用者は小規模な銭湯から大型の入浴施設へ移行していると考えられる。

小規模公衆浴場の経営上の課題

  • 特に小規模な一般公衆浴場業界では、複数の重要な課題が存在する。
    これには、人口減少による市場縮小、燃料費の高騰、衛生面での対策強化(特にレジオネラ菌など)、建物及び設備の老化、後継者不足などが含まれる。
    現在は、水道料金や不動産税制の優遇、公的補助金等の行政政策によって何とか経営を維持しているが、公金投入による優遇策が永遠に続く保証はない。

街の銭湯経営者の高齢化と後継者問題

  • 一般公衆浴場(街の銭湯)業界では、特に個人経営者の高齢化が深刻な問題となっている。
    厚生労働省の調査によると、個人経営者の半数以上が70歳以上であり、その半数以上が後継者がいないとされている。

新規顧客誘引と設備近代化への投資

  • 既存施設では、浴場の大型化や多機能風呂の設置、番台からカウンター式への改築、休憩ロビーの新設など、新規顧客の誘引と設備近代化のための投資が目立っている。
    ただし、特殊設備であるため、転用が難しく、解体撤去費用も高額となるため、設備投資には注意が必要である。

公衆浴場の施設数と市場規模

  • 厚生労働省の調査によると、公衆浴場(街の銭湯)全体の施設数に占める一般公衆浴場と、その他公衆浴場の割合は約15%対85%である。
    2003年から2007年までは増加傾向にあったが、その後は減少しており、一般公衆浴場の数は特に減少している。
  • 「その他公衆浴場業」も2008年をピークに減少傾向にある。これは、スーパー銭湯などの新しい業態が好調な一方で、業界内の淘汰が進んでいることが原因と考えられる。
  • 一般公衆浴場業(街の銭湯)は、地域住民の日常生活における保健衛生上必要な施設として利用される。これらの施設は、公衆または特定多数人を対象に入浴サービスを提供し、公衆浴場入浴料金の統制額に関する省令(昭和32年厚生省令第38号)に基づく都道府県知事の規制を受ける。
    施設の配置については公衆浴場法2条3項に基づく都道府県の条例による規制の対象となる事業所である。

新しい顧客層獲得のためのイノベーション

  • 現在、家庭風呂やスーパー銭湯の普及により、小資本の街の銭湯経営は困難な状況にある。
    しかし、高齢者の安全な入浴場、親子の浴育の場、日本の伝統文化を楽しむ場として再注目されている面もある。
    これからは地域コミュニケーションの場としての役割や独自のサービスの開発が求められる。
    例えば、健康意識の高い層に対する効果的な入浴方法の提案や、音楽、ヨガ、VR技術といった異業種とのコラボレーションを通じて新しい体験を提供する銭湯も出現している。
    このような取り組みは、新しい顧客層の獲得につながる余地がある。

公衆浴場の収益性向上戦略

  • 一般の民間事業とは違い、経営者が入浴料を上げることは勝手には許されない。
    そのため、収益性向上のために、サウナなどの利用料金を別料金として徴収したり、ドリンクメニューを充実させることによる客単価向上に動く事業者も多くなってきている。

公衆浴場業の区分とその範囲

  • 公衆浴場は公衆浴場法によって定義されており、厚生労働省はこれを「一般公衆浴場業」と「その他の公衆浴場業」の二つに区分している。
    いわゆる「街の銭湯」は「一般公衆浴場業」に分類されている。
  • 「その他の公衆浴場業」の種類は多岐に渡り「スーパー銭湯」を代表に、蒸し風呂業、砂湯業、サウナ風呂業、スパ業、健康ランドなどが存在する。
    保養や休養を目的とした健康ランド型の施設や、ゴルフ場などのスポーツ施設に併設される浴場や、移動入浴車、エステティックサロンの泥風呂など非常に幅広い業態がある。

運営時間と休業日の運営実態

  • 公衆浴場(街の銭湯)の月の定休日数は半数弱の事業者が4日としており、2割弱は無休で運営されている。
    営業時間は施設により異なるが、平均は10時間程度となっており「8~9時間未満」程度の運営が最も多い。
    一般的な流れとして、午前中は清掃や準備作業を行い、昼過ぎから夕方にかけて開店し、夜22時から25時頃に閉店することが多い。

銭湯業界の変遷と現代の課題

  • 「街の銭湯」は日本独自の文化で、裸で他人と同時に入浴する習慣は海外では珍しい。
    外国人観光客にも人気があるが、温泉や家庭風呂との競争、衛生管理の必要性、燃料コスト上昇などの問題などに直面している。
    レトロブームの盛り上がりも含め「銭湯経営したい」という起業志望者も多いが、銭湯は一回数百円の入浴料で運営され、設備投資や品質保証のために緻密な収支計画と採算管理が求められるため、必ずしも簡単な経営ではない。

現金取引中心の収入構造と運転資金管理

  • 入浴料金収入は主に現金取引が中心で、一部では入浴回数券やプリペイドカードの形で前受けが行われている。
    燃料などの仕入れは買掛けで行われ、その支払いサイトは1~2ヶ月以内である。
    手形による支払いはほとんど行われていない。
  • 運転資金については、収入が主に現金取引であるため、適切な現金管理を行えば資金繰りは問題ない。
    公衆浴場業(街の銭湯)は典型的な装置産業であるため、新築・改築、ボイラーや循環ろ過機などの設備更新の際には資金を必要とする。

設備投資のリスクと後継者問題

  • 公衆浴場業界(街の銭湯)において、老朽化した施設は客足や安全性に影響を及ぼすため、設備投資は重要な課題である。
    しかし、後継者がいないにも関わらず、設備投資をしてしまうと、投資回収をどう行うのか、という問題に発展するため、中長期的な視点に立った冷静な経営判断が必要である。

衛生管理の重要性とPR戦略

  • 衛生面でのトラブルが発生すれば、メディアやインターネット上での負の影響が大きいため、衛生管理の徹底とそれをPRすることも重要である。

盗撮対策とデジタルセキュリティの必要性

  • 近年では、SNSやスマートフォンが発展しているため、脱衣所での盗撮などには、十分に警戒が必要である。

公衆浴場業界の融資制度と資金調達

  • 公衆浴場業界(街の銭湯)における融資制度として、日本政策金融公庫の融資制度などが挙げられる。
    一般公衆浴場業(街の銭湯)は生活衛生貸付の対象事業であり、一般貸付の場合、貸付限度額は3億円(2施設以上の場合は4億8,000万円)以内で、貸付期間は30年以内と非常に有利な条件での資金調達ができる。
  • 防災・環境対策資金などの制度もあり、耐震改修や防火安全、アスベスト除去などを目的とし、一般貸付または振興事業貸付における設備資金・運転資金の融資限度額に加えて3,000万円まで調達ができる。
  • 福祉増進資金として、店舗のバリアフリー化を目的とし、一般貸付または振興事業貸付の融資限度額に加えて3,000万円まで調達することもできる。
  • 生活衛生改善貸付も存在しており、経営指導を受ける小規模事業者向けで、2,000万円までの無担保・無保証人融資も利用できる。
  • これらの融資制度は、公衆浴場業界(街の銭湯)の設備投資や運転資金の確保、環境改善や福祉増進など、多岐にわたる目的で利用ができる。
  • 1981年に制定された「公衆浴場確保法」は、転廃業が続く公衆浴場を支援するための法律である。
    この法律に基づき、各自治体は公衆浴場に対して補助金や助成措置を提供している。さらに、公衆浴場の土地や建物に関する固定資産税については、減免やその他の優遇措置が講じられている。
  • 公衆浴場業界特有のものではないが、多くの中小企業に適用される融資制度や支援策が存在する。
    例えば、東京都の「中小企業制度融資」には「小規模企業向け融資」「一般事業資金融資」「創業融資」「産業力強化融資」「経営支援融資」「企業再生支援融資」などがある。
    中小企業新事業活動促進法に基づく低利融資、設備投資減税、新連携対策補助金、経営革新補助金などの経済産業省の支援策も利用できる。
    これらの制度は、公衆浴場を含む中小企業が新たな事業展開や経営改善を図るために有効である。

パソコン導入と業務効率化の現状

  • 公衆浴場業界(街の銭湯)では、パソコン導入について半数以上の事業者が導入していないと答えており、特に個人経営者の中にこの傾向が顕著である。
    導入されている場合の主な目的は「帳簿等の経営収支の計算」と「インターネットを通じた情報収集」である。「入浴用品・材料等の購入」などに活用し、業務効率化や販促活動に役立てている事業者も増えてきている。

新規開業に必要な条件と支援活用

  • 公衆浴場(街の銭湯)の新規開業をするには、最低でも約100平方メートルの土地が必要であるため、不動産会社・設備業者などとの連携が重要である。
    創業セミナーや制度融資、公的補助金の活用などにも積極的に参加・活用する方が良い。
    立地選定、商圏分析、設備投資、接客ノウハウ、広告宣伝、創業者融資、経営管理など、多岐にわたるアドバイスや支援を受けることができる。

公衆浴場法と営業許可に関する規制

  • 公衆浴場(街の銭湯)は不特定多数の人が利用する場所であり、伝染病の媒介を防ぐために、1948年に制定された「公衆浴場法」に基づき、多数の法的規則が設定されている。
    開業にあたっては、都道府県条例に基づく基準に従い、知事の営業許可が必要となる。
  • 公衆浴場(街の銭湯)には、過当競争を防ぐために、既存の浴場との間に一定の距離を保つ必要がある配置規制が設けられている。これは自治体ごとに条例で異なる基準が定められている。

入浴料金の物価統制と公共性の確保

  • 一般公衆浴場(街の銭湯)の入浴料金には公共性を考慮し、物価統制の対象となっている。
    入浴料金は各都道府県知事によって定められ、その料金以下でなければならない。
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
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