「洋食屋」の独立開業で儲かる成功の極意。メリット・デメリットも解説。

目次

「洋食屋」の開業が儲かるメリット・失敗すると儲からないポイント

洋食メニューの価格動向と経営影響

  • 価格動向に関しては、2012年以降、ハンバーグなど洋食の代表的なメニューの消費者物価指数が上昇している。
    これは一般的な外食の傾向とも一致しており、洋食店の価格も上昇していると考えられる。
    特に、外食産業全般に見られる人手不足が人件費の上昇につながり、これが価格に反映されていると考えられる。

洋食の市場動向と専門化の傾向

  • 昭和時代に入ると、戦後の食料難の中、アメリカから多くの食材が輸入されたことで、日本人の食生活は洋風化が急速に進んだ。
    これらの食材を用いた独自の洋風料理が発展し、洋食文化がより深まったのである。
  • 最近の外食産業は多様化し、専門化の傾向が見られる。
    この流れの中で、洋食の中でも特定メニューに特化した専門店が増えている。
    例えばハンバーグやオムライスを提供するフランチャイズ店舗が増加している。
    顧客の目の前の網でハンバーグを焼き上げる形式のフランチャイズ店舗は急速に店舗数を拡大させた。
  • 総務省と経済産業省が行った「経済センサス」によると「その他の専門料理店」のカテゴリに分類される民営事業所は約5万所、従業者数は約44万人に上る。
    これらの数値は増加傾向にあるが、このカテゴリには洋食店のほか、フランス料理、イタリア料理、インド料理、エスニック料理など多様な業態が含まれるため、洋食店だけの増加と断言するのは難しい。

労働力確保の新戦略:外国人労働者の活用

  • 人手不足の問題に関して、少子高齢化による人口減少が背景にあり、特にアルバイトや非正規社員の不足が顕著である。この状況は人件費の高騰という問題につながっている。
    政府はこの問題に対応するため、2019年4月に外国人労働者の受入れを拡大するための「出入国管理及び難民認定法」の改正を行った。
    外食業界においても、特定技能1号の試験が実施されており、労働力確保のためにこれらの制度の活用が求められている。
  • 最近では、動画を活用したマニュアルや、各外国語に翻訳されたマニュアルが充実してきていることからも、外国人労働者の即戦力化が容易になってきている。
    一方で、これらの対応には、一定のコストがかかることからも、小規模事業者でも広く導入されているわけではない。
    ただし、小規模事業者の予算感でも比較的導入しやすいツールは多数生まれてきているため、洋食屋を開業する起業家の意識次第では、外国人労働者を初期の段階から起用することもできる。

洋食屋経営の関連法規制と対応

  • 飲食店経営における関連法規制には、以下のようなものがある。
  • 食品衛生法:飲食店が提供する調理品に関連し、食品による危害の発生を防止するための法律。この法律に基づき、保健所からの営業許可と指導が必要となる。
  • 生活衛生関係営業の適正化及び振興に関する法律:飲食店を含む環境衛生営業業界の健全な発展を目的として設立。施設の向上や経営の健全化、同業組合設立などの指導を受けることが規定されている。
  • 食品リサイクル法:食品の売れ残りや食べ残しなどの抑制・減量化を通じて、廃棄物の量を減少させることを目的としている。この法律は、食品製造業や小売業だけでなく、外食産業においても適用され、食品循環資源の再生利用が促進されている。

洋食屋のメニュー構成とその多様性

  • 洋食屋が提供する料理には、コース料理とアラカルトがある。コース料理では、サラダやスープなどの前菜から始まり、肉や魚を使ったメイン料理、パンやライス、そしてデザートやドリンクまでが一般的に含まれる。
    一方でアラカルトは、メインの肉や魚料理からオードブル、サラダ、スープなどのサイドメニューに至るまで、一品料理を幅広く提供する。
  • 洋食屋で一般的に提供される主な料理は、以下のようなものである。
    肉料理ではハンバーグ、ビーフステーキ、カツレツ、ビーフシチューが挙げられ、魚料理ではエビフライ、カキフライ、ムニエルがある。
    米飯や麺料理では、カレーライス、ハヤシライス、オムライス、スパゲティなどが人気である。

洋食業界の統計と市場規模

  • 洋食店の市場規模に限定した統計はないが、総務省の「家計調査年報」を基に外食としての洋食の市場規模を算出することができる。
    データによると、外食としての洋食に関する年間支出は約1万1,400円であり、これを総世帯数に基づいて計算すると、市場規模は約6,600億円となる。
    この市場規模は例年大幅な変動はなく、ほぼ一定であると見られる。

洋食の独自性と持続可能なニーズ

  • 洋食は明治以降、日本独自の料理として発展し、日本人の食生活に深く根付いている。
    洋食に対するニーズは今後も一定の規模を維持すると見られる。
    しかし、ハンバーグやエビフライなどは家庭料理としても人気が高く、スーパーや惣菜店で簡単に購入できるため、家庭内での調理や中食、外食を含め、様々な形態で消費されている。
  • 洋食店が多様な飲食業界の中で競争力を維持するためには、家庭料理や惣菜では体験できない本格的な料理やサービスの提供が重要である。
    例として、「つばめグリル」のハンブルグステーキや「たいめいけん」のオムライスのように、各店が看板メニューを持つことが成功の要因となっている。
    このような特徴的な料理やサービスの開発と提供は、顧客の期待を満たすために欠かせない。
  • 店舗では、料理の味もさることながら、鉄板などの食器を活用した料理の演出も重要である。
    家庭では味わうことができない体験を顧客に提供することが来店率向上のためには重要なのだ。

販売形態の多様化とテイクアウトの増加

  • 販売形態に関しては、基本的にイートイン形式での提供が主流であるが、最近では中食市場の拡大やランチ需要を背景に、テイクアウト対応の店舗も増加している。

融資制度と金融支援策の活用

  • 洋食屋専門の特定融資制度はないが、他の飲食店と同様に、日本政策金融公庫の「新企業育成貸付(新規開業資金)」や「新創業融資制度」などの制度が利用ができる。
    生活衛生事業者向けには、「生活衛生貸付(一般貸付)」「生活衛生セーフティネット貸付」といった融資制度も存在する。
    さらに、中小企業の金融支援策として、都道府県の中小企業支援センターや地元の商工会・商工会議所などが関連する金融支援策を提供している。商工組合中央金庫などの機関も設けられている。
  • 東京都では、外国人観光客の受け入れを目的として、分煙対策の一環として喫煙所の設置を行う飲食店を対象に、分煙環境補助金を提供している。
    これは公共の場所での分煙を促進し、外国人観光客の利便性を高めるための支援策である。

洋食専門店の経営戦略とリピーター確保

  • 経営指標に着目する際、洋食専門店の特徴を考慮すれば、ファミリーレストランのように低価格で新規顧客を獲得するよりも、高品質なメニューやサービスで高い客単価のリピーターを確保する戦略が効果的である。そのため、客単価やリピーター数などの指標に注目し、リピーターを飽きさせないための看板メニューや季節限定メニューの開発、接客スキルの向上や店内の雰囲気作りなどの取り組みが重要である。
    また、リピーターの確保や追跡のためには、ポイントカードや会員制度の導入が効果的であると言える。

主要な洋食チェーン企業とその展開

  • 代表的な洋食店のチェーン企業には、例えば「つばめグリル」を展開するつばめ(東京都港区)がある。1930年の創業以来、首都圏で20店舗以上を展開し、「ハンプルグ(ハンバーグ)ステーキ」を看板メニューとしている。また、ハンバーグ専門のレストランチェーンとして「びっくりドンキー」を展開するアレフ(北海道札幌市)、ゼンショーグループの「ビッグボーイ」を展開するビッグボーイジャパン(東京都港区)、オムライス専門店として「ポムの樹」を運営するポムフード(鹿児島県姶良市)、ラケル(東京都渋谷区)などが挙げられる。

洋食提供店舗の多様性と競合状況

  • 日本の飲食業界における洋食の位置付けと現状を概観すると、洋食を提供する店舗は多岐にわたっている。
    例えば、「つばめグリル」「びっくリドンキー」「ビッグボーイ」「ポムの樹」「ポムズファーム」「ラケル」といった専門店が存在し、これらはオムライスやハンバーグ、エビフライなどの人気メニューを提供している。
    さらに、ファミリーレストランや和食レストランも洋食メニューを取り入れており、回転寿司のような異業種でも洋食の提供が増加している。
    また、中食市場に属する持帰り弁当店や惣菜店、スーパーマーケットも競合として挙げられる。

洋食の定義と歴史的背景

  • 洋食とは、西洋料理や洋風料理の総称である。西洋料理にはフランス料理やイタリア料理など、欧米を発祥地とする料理が含まれる。
    一方で「洋食屋」が提供する洋風料理は日本独自の発展を遂げた料理を指し、オムライス、ハンバーグ、エビフライ、ハヤシライスなどが代表例として挙げられる。
  • 「洋食」は、広義では西洋料理も含めた言葉であるが、狭義では日本で独自に進化した洋風料理を指すことが多い。
    そのため本文では、この狭義に基づく洋食を提供する飲食店を「洋食屋・洋食店」と定義する。

地域別の洋食店分布と消費者支出

  • 経済センサスによると、「その他の専門料理店」の民営事業所数における都道府県別の分布では、東京都が最多で、続いて大阪府、愛知県、神奈川県、兵庫県が上位にランクインしており、これらの地域は都市部であることが多く、洋食店も都市部に集中していると考えられる。
  • 総務省の家計調査年報によると、洋食に関する家計支出は安定しており、オムライスやハンバーグ、エビフライなどの洋食は幅広い世代に人気がある事がうかがえる。

財務健全性と外食産業の特徴

  • 外食産業全体の短期支払能力を示す流動比率と当座比率は安定しているが、全企業平均と比較するとそれほど高くない水準にある。
    洋食屋の自己資本比率は比較的低く、借入金への依存度が高い業種であることが指摘されている。
  • 営業キャッシュフローに関しては、外食産業は基本的に現金販売のため、通常はプラスになる。
    しかし、借入金への依存度が高いため、財務キャッシュフローの運用状況には注意が必要である。
    特に、支払利息が過剰な場合、営業キャッシュフローがマイナスになる場合がある。

経営改善と収益向上のための戦略

  • 経営改善や収益向上に向けては、外食産業は売上総利益率が高いが、販管費率も高いという特性を持つ。このため、販管費の削減と同時に、付加価値の高いメニューやコース料理の提供による客単価の向上が重要である。競合との差別化も重要なポイントである。

資金調達の際の情報管理と透明性

  • 洋食屋を開業後、店舗の定期的な改装や設備機器の交換、新規設備の導入の際には、資金調達が必要となる場合がある。
    資金調達をする際は、金融機関が返済能力があるのかを調査するために、不動産仲介業者や内装工事業者や、経営者や店長などを通じて、決算情報や財務状況の把握に動くことも多い。
    そのため、利害関係者から誤った情報が出て、金融機関を混乱させないための配慮が普段から必要である。

開業資金の検証と経営者の姿勢

  • 新規に洋食屋を開業する際には、初期開業費用と、売上見込みの適正な検証が重要である。
    料理人であり、職人気質や自店に対する強いこだわりを持つオーナーである場合、経営者としての能力が必ずしも強くないケースも多い。
    その場合は、悪い意味でのプライドを高く持たず、各所に対してアドバイスを求める姿勢が極めて重要である。
  • 初期の開業費用の抑制のためには、設備投資や内装工事の相見積もり、店舗賃貸の際の保証金の妥当性の確認が必要である。
    その際は、直接的な初期費用のみならず、長期的な目線で見た際の自社に不利益な条項などが契約書に盛り込まれていないかなどの観点も重要だ。
    専門家の協力を仰ぎつつも、経営者自身が最低限の知識を持つことも大切である。

日本における洋食の発展

  • 日本で洋食が広まったのは、幕末の開国が契機とされる。
    1858年の日米修好通商条約締結後、箱館、新潟、横浜、神戸、長崎が開港し、外国人居留地や公使館が設置された。
    これに伴い、外国人向けの西洋料理店が登場し、日本人が働き始めることで、西洋料理が広まった。
  • 1863年には日本初の西洋料理店「良林店」が長崎に開業し、1876年に東京都台東区に「上野精養軒」、1895年に東京都中央区に「煉瓦亭」がそれぞれ開業するなど、老舗の洋食屋が次々と誕生した。
    これらの店は、洋風料理を基に独自の工夫を凝らし、日本独自の洋食文化を形成した。
    ハンバーグやエビフライ、ハヤシライスなどの発祥は諸説あるが、大まかに明治後期から大正初期にかけて生まれたと考えられる。
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
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