「かに料理店」の独立開業で儲かる成功の極意。メリット・デメリットも解説。

目次

「かに料理店」の開業が儲かるメリット・失敗すると儲からないポイント

かに料理店のブランディングとメニュー開発

  • カニは、高級食材というブランディングがでいていることからも、贅沢なご馳走というイメージを作れている。
    かに料理店は、その特徴として調理法が限られている点を考慮し、常に新しいメニューを提案し、顧客の興味を引き続ける工夫が必要である。

固定客確保と価格戦略

  • 都市型のカニ料理店にとって重要なのは固定客の確保である。これを実現するためには、料理やサービスの質を向上させる一方で、仕入れ価格の低減や経費削減に努め、適正価格で料理を提供することが求められる。
    また高品質な、かにの安定調達や鮮度保持が重要であり、メニューの多様性や新メニューの開発も重要な課題である。

外食産業の収益性と原価管理

  • 外食産業は一般に売上総利益率が高いが、販売管理費も高く、結果として収益性が低い。
    特に、食材の漁獲高に起因する価格変動や原価の上昇には注意が必要であり、原価が変動する際には価格設定の見直しや、販売管理費の削減が収益確保の鍵である。
    高級店では、選び抜かれた食材や独自の調理・盛り付け技術、店の雰囲気やサービスといった付加価値を価格に反映させ、客単価を高めることが重要である。

かに料理店の仕入れ戦略と調達方法

  • 都市型のかに料理店では、ロシア産のたらばがにや、ずわいがに、カナダ産、アメリカ産の、ずわいがにが主に使われている。
    国内漁獲量の減少により、国産のかには主に水揚げ港周辺で消費されている。
    かには一般的に卸売市場を通じて仕入れられるが、チェーン店の中には海外の商社から直接輸入するケースや、水産専門商社や総合商社を通じて間接輸入を行うケースもある。

かに料理店の価格変動と市場特性

  • 価格変動については、店舗によって差はあれど、基本的に大きな変動は少ない。
    しかし、かにの漁獲量によって価格が変動しやすいという市場特性がある。
    国内漁獲量だけでは市場の需要を満たすことが難しいため、安定的な調達のためには輸入が不可欠となっており、国際的な漁獲規制や為替変動が価格に影響を与える。
    輸入量は減少しているが、単価は上昇している。

かに料理店の収益性と仕入れ依存度

  • かに料理店は、かにという高級食材を使用することからも仕入れ価格が高い。
    そのため、収益性は商品の販売価格に大きく依存する。
    リピーターの醸成のためにも、安定した仕入れ及び供給が経営上の重要なポイントとなる。

消費者信頼の獲得と産地情報の透明性

  • 過去、食品産地偽装事件が起きて以降、消費者の安全・安心な食品志向は高まっている。
    かに料理店では、専門店としての信頼性を保つために、産地情報の透明性を高めることが重要である。

法人需要と顧客リピートのビジネスメリット

  • 日本料理の中でも、かには高級食材であることから、法人需要も高く、顧客のリピート率と単価の高さの両立ができるのがビジネス的なメリットである。
  • 日本の飲食店業界では、2012年をピークに日本料理店の事業所数が減少している。この傾向は、かに料理店にも当てはまると考えられる。しかし、これに反して従業者数は増加している。

特別な体験を求める消費者ニーズの理解

  • 消費者は、法人の接待や、観光地訪問の際に、かに料理店を利用することが多く、頻繁に食べるものではないことからも特別な体験を求める。
    これには食材の質だけではなく、料理の味、サービス、そして内装や食器を含めた高級感が含まれている。

法人接待減少と新顧客層の開拓

  • 不景気が続いていることからも、法人接待の減少は続いている。
    そのため、かに料理店は新たな顧客層の開拓や地域密着型の顧客獲得戦略を考える必要がある。

財務諸表の定期的なチェックと総資本回転率

  • 開業後は、定期的に財務諸表を細かくチェックする必要があり、総資本回転率はその際に確認すべき財務指標の1つである。総資本回転率が高ければ資本の効率性が高いことを意味する。
    飲食店の平均的な総資本回転率は1.5回程度で、この平均以上であれば資本を効率的に使用していると言える。
  • 日本料理店の売上総利益率は飲食業界の平均と大差ないが、総資本回転率はやや低く、資産効率が良くない状況傾向がある。
    基本的には運転資本の調達における必要性は低いが、資産効率の悪さには固定資産が影響していると考えられる。
    かに料理店は、販売費・一般管理費が高く、売上高営業利益率を低くする要因になっている。
    従業員には高い技術を持つ板前を雇い、店舗には高級感を与えるため、人件費を含む販売費・一般管理費が高くなりやすいのだ。

輸入かにと外部環境の影響

  • 蟹に対する関税率が撤廃などの外部環境の変化は、輸入にとって追い風となり、かに料理店には仕入れ面での利点が見込まれる。
    2023年には、ロシアのウクライナ問題によって、アメリカで禁輸措置が取られたことから、冷凍のカニの在庫がかさんだことが理由で、日本で安く流通することになった。
    前年対比で40%も安い価格で販売されるケースもあり、贈答ニーズや自宅用も含め利用者が増加した。
    このように、外部環境が大きく影響する素材を扱っている業界では、常に外部環境の変化に気を遣う必要がある。

開業に関連する法律

  • 業務が食品調理に関わるため、食品衛生法に基づく保健所の許可が必要であり、同時に保健所からの指導を受けることが求められる。
  • 生活衛生関連営業の運営において、飲食店を含む業界の健全な成長を促すために制定された「生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律」が存在する。
    これには施設の改善、経営の健全性向上、業界組合の設立支援などが含まれる。
  • HACCPは、法的な規制ではないが、食品製造や加工において潜在的な危害を事前に分析し、製品の安全を保証するための重要な管理点を定める衛生管理手法である。
    かに料理店ではHACCPの全面的な実施は難しいが、一部は参考にする価値がある。

地域特性とかに料理店の分布

  • 地域的な特徴として、一般の飲食店や日本料理店は首都圏や大都市圏に集中している。かに料理店に関しては、かにの漁獲量と密接に関連しているため、北海道、新潟県、石川県、兵庫県、鳥取県、島根県などの漁獲高が大きい地域に多く見られる。

かに料理店における技術革新とメニュー開発

  • かに料理店では、あまり画期的な技術革新は起きていない。
    しかし、顧客の興味を持続させるためには、伝統を重んじつつも新しいメニューの開発が求められる。

競合分析と通販の台頭

  • 競合企業としては、高級日本料理店や料亭が該当するが、立地や料理人の技術などの参入障壁が高いため、競争が急激に激化することは考えにくい。
    むしろ、高級日本料理店や料亭よりも強力な競合は、高品質な蟹を提供する、通信販売・インターネット販売である。
    これらは幅広い価格帯と、特性を持つ蟹を提供しており、消費者に多様な選択肢を提供している。
    デパートや、スーパーマーケットも、かに料理店における競合となる。

サービス向上と多様なニーズへの対応

  • サービス面では、顧客のニーズの多様化と高まる水準への期待に応えるため、従業員への接客マナー教育が重要となる。
    客層、利用目的、嗜好に合わせた臨機応変なサービスが必要である。また、原価削減やメニュー価格の引き下げを通じて、値ごろ感を出す必要がある。

かに料理店の起源と現代への進化

  • 「かに料理店(蟹専門店)」の起源は、北海道や日本海沿岸の漁師たちの料理にまで遡る。1965年ごろには、輸送技術の向上により、首都圏を含む都市部でも新鮮なカニが手に入るようになり、それに伴い、かに料理店のコンセプトが形成された。
    しかし、国産かにの漁獲量が減少し、都市部の店舗は海外からの輸入に頼るようになった。
    それでもなお、かにを求める消費者の需要は根強く、接待などでの高級料理としての需要も支えとなっている。

メニュー構成と料理の多様性

  • かに料理店のメニューは、コースや会席形式、定食メニューが中心である。
    主要な料理には、ゆでかに、焼きかに、かに造り、かにすき等があり、かに豆腐、かにグラタン、かに甲羅揚げ、かにしゅうまい等がサイドメニューとして提供されている。

かに料理店の資金調達と資金回収の原則

  • かにの仕入れは輸入の場合、支払いは原則として現金払いである。産地での仕入れは、生鮮市場からであり、こちらも現金払いが一般的である。販売方法としては、店売りが大部分で、現金回収が原則である。
  • 資金需要については、仕入れから回収までの期間が短いため、立替資金はほとんど発生しない。通常の運転資金は少ない。
  • 飲食業を開業した後に、資金調達が必要になる場合、使い道としては設備投資であることが多い。新規開業時には、店舗用地の取得、店舗建設、ビルへの入居保証金、内装や厨房設備の資金などが必要になる。しかし、消費者のニーズの多様化と変化の速度を考慮すると、投資額を抑え、迅速な投資回収を目指す経営が求められる。
    そのため、土地や建物はなるべく賃貸での出店が望ましい。
    特に土地取得を計画している取引先がいる場合は、その店舗展開戦略を詳細に把握し、慎重に対応する必要がある。
    売上を維持するためには、店舗を常に綺麗に保つことが重要であり、定期的な改装にも資金が必要になる。

日本料理店としての、かに料理店の特性

  • 「かに料理店(蟹専門店)」を含む日本料理店の市場特性として、高度な調理技術が求められ、地域ごとの味の違いが大きいため、多店舗展開が困難であると言うポイントが挙げられる。
    しかし、かに料理店は主要食材がかにに限られるため、他の日本料理店ほどの調理技術が必要ではなく、一部では多店舗展開を行う企業も存在する。
    愛知県豊橋市に本社を置く申羅は、茨城県から福岡県にかけて40店舗以上を展開する代表的なかに料理店である。

インバウンド需要の取り込み戦略

  • 訪日外国人観光客が増加傾向にあることからも、インバウンド対策も重要である。
    観光庁の調査によると、これらの観光客は日本食を楽しみにしており、かに料理専門店のニーズも高い。特に観光客の取り込みがしやすいエリアで開業している場合は、非常に重要な機会となる。
  • かに料理店がインバウンド需要の取り込みとの相性が良い。そのため、特に外国人観光客が多く訪れる地域の店舗では、多言語メニューや写真掲載や、フレンドリーな接客を通じて、売上の伸長を狙うべきである。

飲食店の収益性と資産効率の課題

  • 短期的な財務安全性は当座比率から見て問題は少ないが、在庫をあまり持たないため流動比率は高くない。
    長期の財務安全性を示す自己資本比率を見ると、多くの店舗が借入金に依存していることが分かる。

かに類漁獲量の減少と資源保護の影響

  • 農林水産省の調査によると、かに類の漁獲量は徐々に減少している。
    これは資源保護を目的とした漁獲期間や漁獲量の制限が奏功している結果である。

在庫管理とキャッシュフローの安定性

  • 主に現金販売を行う業界では、在庫(たな卸資産)を抱えることが少なく、これがキャッシュフローの悪化を引き起こすリスクを低減する要因である。
  • キャッシュフローへの影響が少ないため、営業キャッシュフローがマイナスの場合は大きな問題が存在すると考えられる。
    また、一時的な運転資金や人件費の支出に注目が必要である。
    営業活動から得られるキャッシュインを適切な投資に充てられているかどうかも、将来の成長性を見極める上で重要である。

低価格戦略とコスト構造の最適化

  • 低価格で、高い集客力の、かに料理店のビジネスモデルを考えるヒントはコスト構造にある。
    職人技が必要になるような料理をメニュー単位で洗い出し、提供メニューを一気に削ることが1つの方策である。
    もしくは、職人技が必要となるメニューは冷凍やレトルトなどでカバーをするのも1つの施策となり得る。
    要は「高い人件費の構造をどのように解決するのか」と言うのが1つの経営論点となるのだ。
    職人を採用できれば、競争力にもなり得るが、ネガティブに表現をすれば、職人に依存している状態とも言えるため、退職リスクを考えると、あまり良い事業構造ではないとも考えられる。

開業資金調達の課題と支援策

  • 新規開業の場合、例えば日本料理店からの業態変更など、店舗が既に信用力を有する場合を除き、金融機関からの調達難易度は高い。そのため、開業資金の確保に、多くの起業家が悩むことになる。
    開業時には、日本政策金融公庫の「新規開業資金」「新創業融資制度」が活用できる。
    中小企業への金融支援として、都道府県の中小企業支援センターや地域の商工会・商工会議所を通じた金融支援や、政府系金融機関の融資制度も用意されている。
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次