「プリントショップ」の独立開業で儲かる極意。成功と失敗のポイントも解説。

目次

「プリントショップ」の開業が儲かるメリット・失敗すると儲からないポイント

toCにも展開できる印刷ビジネス

  • プリントショップは、従来の印刷会社とは異なり、一般の消費者にとってもアクセスしやすい特性を持っています。自動複写機の利用料金は、コンビニなど他の施設よりも低価格で設定されており、法人顧客だけでなく、個人顧客からの需要も存在します。それでも、売上の大部分を占めるのは法人顧客であり、企業では内部に設置された業務用複写機で十分な印刷品質が得られることが多いです。このため、業務用複写機の性能が今後さらに向上することが見込まれると、プリントショップの市場環境にも影響が出ることが予想されます。

小規模事業者のプリントショップへの転換

  • デジタル印刷が売上の3割以上を占める企業の中で、従業員数が少ない企業が半数以上を占めていることから、今後は従来の印刷業を行っていた小規模な事業者が、プリントショップとしての事業モデルへの移行を加速させると予測されています。

印刷業界の市場動向とプリントショップの未来展望

  • 日本印刷産業連合会が行った「デジタル印刷市場の現状」に関するアンケート調査によると、デジタル印刷機を導入している企業では、特にダイレクトメールが売上増加のトップに位置しています。その他にも、名刺、はがき、封筒などのオフィス用品やデータプリントが挙げられています。また、「その他」という項目には、教材や店内装飾、特殊シール、工業部品など、多岐にわたる品目が含まれています。プリントショップでは対応が難しい項目もありますが、教材やPOP、特殊シールなどは受注の可能性があり、今後成長が見込める分野と言えるでしょう。
  • ただし、報告書や論文、議事録、色校正、カタログなど、売上が減少傾向にあると報告する企業もあります。しかし、業界全体としては、これらの品目も売上が増加傾向にあるか、現状を維持しているとの見方が多いため、今後も成長が期待される分野であると言えます。

フランチャイズ加盟によるプリントショップの運営

  • フランチャイズに加盟してのプリントショップを開業する場合、フランチャイジーは本部が定める一定のサービス品質と統一価格を守り、多くの場合、本部から指定された印刷設備を使用することになります。店舗単独では対応できない大量印刷注文などに本部が対応できるかどうかも、フランチャイズ運営においては重要なポイントとなります。
  • 一方、完全に独立した単独開業の場合は、プリントショップが印刷関連の親会社などから独立して運営される形態を取ります。この場合、プリントショップが親会社(元親会社)や、他企業との相乗効果をいかに発揮できるかが成功のカギを握ります。

プリントショップ開業費用と投資効率

  • 従業員2人程度の小規模なプリントショップの開業では、開業資金は、設備投資に約1200万円、安定した売上を確保するまでの運転資金として8ヶ月分で800万円があると良いでしょう。合計で約2000万円の開業資金が必要となりますが、これには店舗取得費は含まれていません。
    開業から黒字化するまでには少なくとも6ヶ月を要すると見込まれるため、その間の広告宣伝費用も考慮する必要があります。また、業界特有の資産として、リース契約外の印刷機械やDTPシステムが担保や返済の対象になり得ます。
  • プリントショップ業界の平均的な売上総利益率は約25%とさており、比較的低い水準のビジネスとなっています。材料費の高さが主な原因であり、十分な売上を達成しなければ利益を確保することが難しいことを示唆しています。
  • 財務の安全性については、流動比率が平均で200%程度と健全であり、長期的な支払能力を示す固定長期適合率も100%未満で良好です。しかし、デジタル印刷機などの高価な設備投資が必要な業種であるため、投資効率の定期的な確認は不可欠です。

地域別特性とプリントショップの分布

  • 地域別の特徴に目を向けると、オフセット印刷を除く印刷業と印刷関連サービス業は、特定の地域に偏在するという明確な特徴は見受けられません。ただし、業界全体としては、東京都が事業者数と従業者数の両面でトップを占めています。中京圏の愛知県や首都圏の埼玉県、神奈川県、関西圏の京都府や兵庫県など、人口の多い都市部に事業所が集中している傾向があります。一方で、事業所数が比較的少ない地域には、鳥取県や島根県、山口県、高知県、鹿児島県などが挙げられます。

印刷業界の市場規模とプリントショップの位置づけ

  • プリントショップの市場規模だけに絞った統計データは見あたりませんが、オフセット印刷を除く印刷業(紙媒体に限る)と印刷関連サービス業界のデータを参考にすることができます。経済産業省が発表した「工業統計表」によると、オフセット印刷を除く紙媒体印刷業の製品出荷額は約5000億円、付加価値額は2000億円程度で推移しています。これに対し、印刷関連サービス業の市場は約200億円と、オフセット印刷業に比べてはるかに小規模です。

デジタル印刷の成長と顧客ニーズの多様化

  • 2018年3月に日本印刷産業連合会が発表した「デジタル印刷市場の現状」に関する調査報告では、デジタル印刷が売上の約10%を占めており、前年比でわずかながら増加していることが明らかになりました。特に事務用印刷物が最も多く、それに続いて報告書や論文、議事録などが多いことが分かります。また、注文される印刷物の大半は500枚以下の小ロットであり、全体の半分以上を占めていますが、平均ロット数が1万枚を超えるような大量注文も10%程度存在します。これは、デジタル印刷に対する顧客のニーズが多様であることを示しています。さらに、平均枚単価はロット数が増えるにつれて下がる傾向にありますが、500枚を超え1,000枚未満の印刷では、500枚以下の注文よりも単価が高くなっています。

主力商品とプリントショップの顧客層の多様性

  • プリントショップが提供する主力商品には、名刺、はがき、封筒、便箋、チケットやカード類、チラシ、案内状、各種パンフレット、ダイレクトメール、データ出力サービスなどがあります。これらの商品は、特に印刷に関する要求が比較的少ない小規模事業所、商店、フリーランサー、個人、さらにはデザイン事務所など、幅広い顧客層に向けて提供されています。

デジタル印刷技術の進化と、伝統的な印刷業の危機

  • 印刷機器のデジタル化が急速に進み、伝統的な印刷会社でもデジタル印刷機への更新が盛んに行われています。特に、規模の小さい印刷会社では、デジタル印刷によるオンデマンド印刷を強化することで、生き残りをかけた取り組みが見られます。このような動きは、今後もさらに競争を激化させることが予測されます。
  • オフセット印刷を含む多様な印刷サービスを格安で提供する通販業者が登場しています。これらの業者は、プリントショップが得意とする名刺やビジネス文書なども低価格で提供しており、プリントショップにとっては大きな競争相手となっています。このような背景の中、プリントショップはこれらの業者との競争にどう対応していくかが、重要な課題となっています。

プリントショップの販促物制作と顧客支援

  • プリントショップは、従来のチラシや広告印刷だけでなく、顧客の販促活動を支援する多様な広告物の制作に対応する傾向にあります。例えば、特殊な床シールや柱に貼る広告などの印刷を低価格で提供しているフランチャイズチェーンも存在します。

プリントショップのビジネスモデル変革

  • プリントショップのビジネスモデルは、昔ながらの小規模な軽印刷業界とは一線を画しています。この業種の最大の違いは、物理的な店舗を構え、直接顧客からの注文を店頭で受け付けることにあります。従来の印刷業務は、店舗を持たずに印刷加工のみを行っていたのに対し、プリントショップは店舗を開設することにより、サービス提供業へと変貌を遂げています。この変化は、これまで印刷に縁がなかった小規模な企業や商店、個人顧客を主なターゲットとし、少量の注文でも収益性を確保できる実用性の高い印刷分野に焦点を当てている点にも表れています。

印刷業界の市場動向とプリントショップの未来展望

  • オフセット印刷を除く紙媒体向け印刷業の事業所数は、2012年から2015年にかけて小幅な増減を繰り返していましたが、2016年には顕著な減少を見せました。同様に、印刷関連サービス業界も2016年には事業所数が減少しており、市場全体の収縮が認められます。しかし、従業員数に目を向けると、これらの業界では2015年から2016年にかけて増加傾向にあります。

プリントショップ開業を成功させるの為の店舗運営チェックリスト

  • プリントショップを開業する際は、店舗の以下の点がクリアになっているかをチェックするべきです。
    • 店内の見通しが良く、業種が一目でわかるような看板や店舗正面のデザインがされているか。
    • 前金制や店頭受渡しのシステムが顧客に理解されており、徹底されているか。
    • 料金体系が明確で、顧客にとってわかりやすいか。
    • 顧客が商品を選びやすいように、多様な商品サンプルが揃えられているか。
    • 臨機応変な接客ができるスタッフがおり、専門的な知識を持っているか。
    • 大判コピーなどの需要が見込める中小企業が近隣に存在するか。

現金決済主流のプリントショップと顧客サービス

  • キャッシュフローに関しては、この業界では現金決済が主流であるため、システムが適切に機能していれば、大きな問題は発生しにくいです。
    重要なのは、顧客が現金決済のシステムを理解し、実践しているかどうかです。特にプリントショップは小ロットでの収益性が低いため、売掛金に頼るビジネスモデルは採算が合わなくなります。

独自メリットを活かしたプリントショップの経営戦略

  • 経営改善や収益向上のためには、プリントショップの独自のメリットを生かした戦略が必要です。例えば、オフィス用コピー機では対応できないような印刷ニーズに迅速に対応することがプリントショップの強みです。デジタル印刷を強化する中小印刷業者との競争が激化する中、価格競争に巻き込まれずに即日対応などの付加価値を提供し、顧客ロイヤルティを高めることが成功の鍵となります。事務用印刷、報告書、論文、議事録など、プリントショップが得意とする分野でのサービスの質を高めることが、収益向上に繋がるでしょう。

プリントショップ開業時の資金計画と、リスクの抑え方

  • プリントショップの開業には、設備資金や運転資金が必要ですが、利益を出すための売上を確保するのは容易ではありません。そのため、開業時は商品ラインナップを絞り込み、自己資金を基にした最小限の投資でスタートすることも1つの有効な戦略となっています。

プリントショップの業務範囲と顧客サービスの重要性

  • プリントショップの主要な業務には、店頭での受注対応、顧客ニーズに合わせた印刷物の企画提案や販促相談といったコンサルティング、そして迅速な印刷加工が含まれます。これらの業務を通じて、プリントショップは小規模ながらも多様な顧客ニーズに対応しています。

印刷業界における法規制への対応

  • プリントショップ運営にあたっては、個人情報保護法などの関連法規制に留意する必要があります。このような法規制への対応も重要なポイントとなります。

制度融資活用によるプリントショップの資金調達戦略

  • 開業費用の調達に困る起業家や新規事業担当者も多いですが、様々な制度融資を利用することができます。地方自治体や商工振興機関が提供する様々な融資制度が存在します。これには、技術革新や事業改革を支援する融資、創業支援融資、小規模企業向けの長期資金融資、経営安定支援資金融資、景気対策緊急資金融資、事業資金融資、資金計画に対応した融資、自律経営振興融資などが含まれます。
    これらの制度をフル活用することで資金調達が容易になり、スムーズなプリントショップの開業ができるようになります。

業界用語の解説

  • 業界特有の用語には、以下のようなものがあります。最低限把握しておきましょう。
    • オフセット印刷: 平版式間接印刷法の一つで、現在の印刷業界で主流の技術です。版に凹凸がなく、水と油の反発を利用して印刷します。印刷したい部分にはインキを、印刷しない部分には水を使用し、インキがつかないようにします。
    • デジタル印刷: コンピュータで作成されたデータを直接印刷する方法で、従来のオフセット印刷とは異なります。製版フィルムや刷版が不要で、小部数の印刷でもコストを抑えることが可能です。
    • オンデマンド印刷:は、顧客のニーズに応じて必要な時に、必要な数量の印刷物を提供するサービスを指します。これは主にデジタル印刷技術を活用して実現され、顧客の柔軟な要求に迅速に対応することが可能です。
    • Web to Print:顧客がインターネット上で直接、デザインのレイアウトから印刷データの作成、そして校正までを行うことができるサービスを指します。このシステムを利用することで、注文から完成までのプロセスが大幅に簡素化され、効率的な印刷手配が可能になります。
    • DTP:すなわちデスクトップパブリッシングは、パーソナルコンピュータを使用してテキストやグラフィックの編集、レイアウト設計など、出版物の製作過程全体を行うことを指します。これにより、従来の電算写植システムに比べて、より手軽かつ低コストで出版物の製作が可能になります。
    • 版下:製版過程で使用される、文字や図表、絵画などの原稿を意味します。これは印刷の基となる重要な素材であり、印刷品質を左右する要素の一つです。
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
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