「輸入ビジネス」の独立開業で儲かる極意。成功と失敗のポイントも解説。

目次

「輸入ビジネス」の開業が儲かるメリット・失敗すると儲からないポイント

並行輸入ビジネスの歴史的展開と将来的な市場拡大の可能性

  • 日本における並行輸入ビジネスの歴史は、1972年に大蔵省の通達で認められたことに始まります。翌年、円とドルの相場が変動制に移行し、85年以降、円高の進行とともに並行輸入品の増加が目立つようになりました。商品の範囲が広がり、大手小売業者や総合商社も直接並行輸入品を扱うようになり、市場はさらに競争が激しくなっています。かつては内外価格差で安価に仕入れが可能でしたが、最近の円安によりその差が縮小し、一部では正規品と価格が変わらないこともあります。

消費者のブランド品に対する嗜好と購入行動の変化

  • 消費者の傾向については、高級ブランド品を所有しているのは全体の半数以上で、30代以上の女性では7割近くに達しています。特に人気のあるブランドは「コーチ」「バーバリー」「ルイ・ヴィトン」「グッチ」で、女性と男性で異なる好みが見られます。

開業前の準備と開業後の経営管理ポイント

  • 輸入ビジネスを開業する場合、まずは商品と資金の流れをしっかりと把握し、資金繰りの状況を理解することが重要です。
  • 開業後は、流行遅れのデッドストックを抱えていないか、在庫管理や商品仕入れが適切に行われているか、商品コンセプトの明確さやターゲット客層の絞り込み、店舗のイメージやレイアウト、従業員の接客態度や商品知識なども重要なチェックポイントとなります。

偽ブランド品の流通阻止と業界の課題

  • 偽ブランド品の輸入に関するデータによると、差し止められた件数は前年比で17.6%増の3万627件、差し止められた商品の点数は18.6%減の50万6,750点でした。輸入元の国別では、中国が最も多く、全体の92.2%を占め、件数で2万8,250件、点数では41万4,946点に上りました。次いで香港、フィリピンが続きますが、中国からの輸入が圧倒的に多いことがわかります。
  • 偽ブランド品や商標権侵害物品の差止め件数は、3万111件に達し、全体の98.0%を占め、前年比で17.3%増加しています。品目別では、バッグ類が最も多く、1万2,727件で全体の38.8%を占めています。続いて、スマートフォンケースや携帯電話の付属品が多く見られます。このような偽ブランド品の流通は、顧客の信頼を損なうため、業界全体での鑑定能力の向上と流通防止策が強く求められています。

オンラインの力で拡がる海外ブランドのリリーチと消費者基盤

  • 個人がインターネットで海外ブランド品を購入するケースが増えるるケースも増えています。日本語での商品説明や案内を提供する通販サイトの便利さや、メルカリなどのオンラインマーケットプレイスの影響も大きいです。中古ブランド品を扱うリサイクルショップの増加も、市場の競争を一層激化させています。

偽造品対策と品質保証で築く並行輸入ビジネスの信頼性

  • 並行輸入業界では、不正商品の流通防止に力を入れている日本流通自主管理協会に129社が加盟しています。この団体は、偽造品などの不正品を市場から排除することに注力しています。

為替リスク管理と収益向上への戦略

  • 金利の会計処理においては、輸入ユーザンスの金利が商品のコストに含まれて売上原価に計上されるケースと、営業外費用の支払利息として計上されるケースがあります。そのため、売上総利益率や金利関係の分析を行う際には、会計処理の方法を把握することが重要です。
  • キャッシュフロー分析では、売上債権や買入債務の変動が大きいため、営業キャッシュフローの管理に注意を払う必要があります。これにより、資金繰りの問題を未然に防ぐことができます。
  • 経営改善や収益向上のためには、まず為替リスクを軽減することが重要です。先物為替予約やオプション取引などの金融商品を活用し、為替変動によるリスクを管理することが推奨されます。また、競争が激化する市場においては、差別化商品の発掘が収益力向上のカギとなります。特に、レアな海外ブランド品を見つけ出し、それを市場に提供することで他社との差別化を図ることが有効です。

再販価値を重視する消費者心理と並行輸入品の魅力

  • フランチャイズ大手のコメ兵の調査では、特に20代の女性がブランド品を購入する際に再販価値を重視していることが明らかになりました。年代が上がるにつれてその傾向は低下しますが、リセールバリューを意識する消費者は依然として多いです。これは、賢い消費行動として、将来の売却価格を考慮に入れていることを示しています。
  • リセールバリューを重視する傾向は、特にジュエリー、時計、バッグといったアイテムに顕著で、これらが再販価値が高いと見なされています。その結果、今後贈り物を選ぶ際にも、再販価値の高いブランド品やアイテムを選ぶ女性が4割以上いることが分かりました。このことは、販売戦略を練る際に、女性消費者のリセールバリューへの関心を考慮する必要があることを示唆しています。

並行輸入業界の挑戦とビジネスモデルの進化

  • 並行輸入業界が直面している課題には、安定した商品調達の不安、不十分なアフターサービス、偽造品の混入のリスクなどがあります。これらの問題は、業界の発展に影響を及ぼし、特に中小規模の業者にとっては大きな課題となっています。また、メーカーの方針に左右される不安定な立場にあり、専門性を高め、正規の取引関係を築くことへの移行が見られます。
  • 将来的にも日本人の海外ブランドへの強い志向と、国内外からの訪問者の増加が市場の成長を支えると考えられます。ただし、円安がもたらす価格上昇の影響も考慮する必要があります。

EU経済連携協定による並行輸入ビジネスの新機軸

  • 2019年3月に発効したEUとの経済連携協定(EPA)は、高級ブランド品の市場に大きな変化をもたらすことが予想されます。この協定により、バッグの最大16%の輸入関税が2029年までに撤廃される予定で、衣料品にかかる最大13.4%の関税はすでに撤廃されています。これは、並行輸入業者にとって追い風となり、より魅力的な価格で商品を提供する機会を増やしています。
  • この状況下で、並行輸入業者の間では、独自の商品を探求し開拓するグループと、特定商品の正規輸入代理店としての役割を担い、安定した経営を目指すグループに分かれる傾向が強まると予測されます。競争が激化する中で、一部の業者は倒産や他業種との合併を余儀なくされるかもしれません。
  • 並行輸入の特徴は、正規の総代理店以外の業者が海外から直接商品を輸入することで、国内の正規価格よりも安価に提供できる点にあります。しかし、並行輸入品の輸入原価が高いにも関わらず、最終的な小売価格が正規品より安くなる主な理由は、高いイメージ維持のための価格設定、総代理店の販促費やアフターサービスコスト、高コストの販売チャネルの利用、そして在庫コストの違いにあります。

商標権の遵守と正当な並行輸入の実践

  • 真正品としての並行輸入が商標権を侵害しないためには、いくつかの原則を遵守する必要があります。これらの原則は、輸入されるブランド品が正規の商品であることを保証し、市場における健全な競争を促進するために重要です。
  • 商標権を侵害しないために、並行輸入される商品は次の3つの基準を満たす必要があります。まず、商品に添付されている商標が海外の権利者によって正当に使用されていること、次に、海外の商標権者と日本の商標権者が同一であるか、または法的、経済的に同一視できる関係にあること、そして、輸入された商品と日本で販売されている商品の品質に実質的な差異がないことが求められます。これらの要件を満たさない場合、商品は商標権の侵害とみなされ、警察による摘発や民事訴訟に発展し、高額な賠償金の請求につながる可能性があります。特にインターネット販売では、取引の記録が残りやすく、侵害の証拠が容易に集められます。

並行輸入の流通ルートとその戦略的活用

  • 並行輸入の流通ルートは主に4つあります。第三国の輸入総代理店からの輸入、第三国における並行輸出業者を介した輸入、生産国や第三国の小売店や免税店からの直接購入、そしてライセンス生産品の輸入がこれに該当します。多くの場合、第三国の輸入総代理店を通じた輸入が一般的で、国内での販売ルートとしては卸売りや小売りを経由する方法と、直接消費者に販売する方法があります。

金融機関との連携による並行輸入ビジネスの成長

  • 金融機関とも密に連携を取り、為替や金利の見通し、売れ筋商品の情報提供などを通じて、信頼関係を強化しつつ、更なるビジネス機会を創出するべきです。さらに、信用リスクやカントリーリスクなどのリスク管理、業界動向の把握、適切な経営アドバイスの提供をもらうことも少なくありません。
    普段から信頼関係を築けている金融機関への恩返しの意味合いも含め、店舗のディスプレイ変更や改築などのタイミングで資金調達を実施することも多いです。

並行輸入ビジネスの効率的な仕入れ戦略とその流通ルート

  • 商品の仕入れについては、生産国のメーカーから直接日本に輸入されることは少なく、多くは第三国の販売業者を介して行われます。特にバッグや時計、ネクタイなどの軽量商品は、香港やシンガポールなどの免税店や小売店から直接購入し、持ち帰る形で輸入されることもあります。

日本のインポートブランド市場の成長動向とその背景

  • 2017年のインポートブランド市場は約2兆3,000億円と増加しており、インバウンド観光客の需要の回復や富裕層の消費の堅調さが背景にあると考えられます。今後も市場は成長を続け、特に若年層をターゲットにしたブランド戦略が影響を与えると見られています。

輸入取引の決済方法と資金管理の重要性

  • 決済方法に関しては、一般的な輸入取引と同様に、信用状(L/C)、輸入代金取立手形(B/C)、送金、現金決済などの方法が用いられます。輸入信用状の発行は、銀行にとっての与信行為に該当します。

独自性と価格競争力を武器にする並行輸入ビジネスの機会

  • 正規輸入代理店は、ブランドのイメージを守るために価格を一定に保持していますが、並行輸入業者はより手頃な価格設定が可能です。
    しかし、この業界は為替の変動によって大きく影響を受け、円の価値が上がると有利に、下がると不利になる傾向があります。加えて、偽造品の問題が増加する中、消費者の信頼を維持するためには、鑑定の専門知識を高め続ける必要があります。ネット販売や中古品市場の成長に伴い、競争も年々厳しくなっています。

輸入ビジネスにおける資金需要と財務管理の要点

  • 資金需要の面では、国内販売先からの代金回収状況に応じて、輸入ユーザンスの供与やハネ返り円融資が求められる場合があります。また、輸入貨物が到着した際には、L/GやT/Rの審査が必要になることがあります。
  • 財務状況に関しては、代理商や仲立業の経営指標を参考にすることが一般的です。貿易勘定では、輸入為替到着のタイミングによって、資産や貿易勘定の大きな変動が見られます。輸入貨物が到着した際には、通常、銀行からのユーザンス供与を受け、外貨支払手形などで処理されます。これらの取引は、国内の支払手形と区別して把握する必要があります。

並行輸入業界の成功と、失敗の事例

  • 倒産や吸収合併の事例として、高級ブランド時計の並行輸入で知られるアイム(東京)が2017年12月に破産手続きを開始した事例が挙げられます。同社はヨーロッパでの有利な買付ルートと豊富な品揃えで事業を展開していましたが、円安や価格競争、中国当局の関税引き上げによる爆買いの減少などで資金繰りが悪化しました。一方で、国内最大級のリサイクルショップを運営するコメ兵は、並行輸入業者のイヴコーポレーションを子会社化し、新たなノウハウを取り入れる動きを見せています。

商標権の遵守と並行輸入業者の法的責任

  • 並行輸入業に直接的な規制は存在しませんが、商標権侵害には注意が必要です。並行輸入が商標権を侵害していないかを確認するためには、「並行輸入の3原則」を遵守する必要があり、これらの原則に基づいて適切に商品を輸入・販売することが求められます。
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次