「パソコンショップ」の独立開業で儲かる極意。成功と失敗のポイントも解説。

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「パソコンショップ」の開業が儲かるメリット・失敗すると儲からないポイント

パソコンショップのビジネスモデル:小規模から大型まで

  • パソコンショップの市場特性に関しては、小規模な個人経営の店舗から、大手家電量販店による大型店舗まで、事業の規模は多岐にわたります。取り扱う商品範囲も広く、パソコン本体や周辺機器など、多種多様な製品群をカバーする必要があります。
  • 代表的な企業:日本国内の代表的なパソコンショップには、ヤマダ電機(群馬県高崎市)、ビックカメラ(東京都豊島区)、エディオン(大阪市北区)、ケーズホールディングス(茨城県水戸市)、ヨドバシカメラ(東京都新宿区)、ソフマップ(東京都千代田区)、ピーシーデポコーポレーション(神奈川県横浜市)、サードウェーブグループ(東京都千代田区)、Proiect White(群馬県高崎市)などが挙げられます。これらの企業は、多岐にわたる製品を取り扱っており、パソコン市場における重要なプレイヤーとなっています。

ショップオリジナルPCの強み:カスタマイズの自由度

  • ショップオリジナルのパソコンについては、大手メーカー製のパソコンに比べてカスタマイズの自由度が高いことが特長です。顧客は店頭やウェブサイトで望むカスタマイズを注文し、ショップはそれに応じてパソコンを組み立て、店頭または宅配で提供します。カスタマイズ可能な部品にはCPU、メモリ、ハードディスク、マザーボード、ケース、電源ユニット、ビデオカード、サウンドカード、冷却システム、光学ドライブ、LANカード、OSやアプリケーションのバージョン、モニター、スピーカー、マウス、キーボードなどがあります。
  • パソコンショップでは、納品期間は通常7~10日程度で、標準モデルをいくつか用意して、カスタマイズをしない場合は即日提供が可能な店舗も存在します。多くの構成部品は中国や東南アジアからの並行輸入品であることが推測されます。

在庫管理の重要性:パソコンショップのリスク管理

  • パソコンショップ業界では、特に在庫管理に注意が必要です。製品の急速な進化と価値の低下により、在庫の陳腐化と資本の固定化のリスクが高まります。そのため、商品の回転率や在庫日数を定期的に確認し、異常が見られる場合は在庫の健全性を帳簿で検証することが求められます。

パソコン市場の動向:変化とそのビジネスへの影響

  • パソコンの国内出荷台数:国内のパソコン出荷台数と出荷金額の推移を見ると、過去にはリーマンショックや東日本大震災の影響で若干の落ち込みがあったものの、2013年頃には元の水準に戻っています。しかし、その後はデスクトップ型やノート型を含むパソコン全体の出荷金額が下落傾向にあります。これは、出荷台数の減少と低価格モデルの増加が主要因です。タブレットやスマートフォンの普及がパソコン市場に新たな局面をもたらしています。一方で、ゲーミングPCなど特定用途向けの高性能パソコンが市場に定着しつつあり、タブレットやスマートフォンでは不可能な作業をパソコンで行う需要も出てきています。

パソコンショップの地理的分布

  • パソコンショップの地理的分布は、統計データの不足により正確には把握できないものの、人口密度、ビジネスの集積度、情報流通の活発さといった要因を鑑みると、東京都に集中していると推測されます。また、東京以外でも、大阪や名古屋、札幌、福岡といった大都市圏に偏在している可能性が高いです。特に、東京の秋葉原、大阪の日本橋、名古屋の大須など、特定の地域に店舗が密集している傾向があります。

インターネット普及の頭打ちと新デバイス:ゴーグル型ヘッドマウントディスプレー

  • 総務省が発表したデータによれば、国内のインターネット普及率は既に高い水準に達しており、これ以上の大幅な伸びは期待しにくい状況です。これまでパソコン需要の牽引役であったインターネットの普及が一段落したこともあり、市場は新たな局面を迎えています。加えて、スマートフォンやタブレットなどの代替デバイスの保有率が急速に増加し、2017年にはスマートフォンの保有率がパソコンを上回る事態となりました。これらのデバイスの台頭は、パソコン市場における需給動向に大きな影響を与えており、今後はパソコンだけでなく、これらの代替製品を含めた市場全体の動きに注目が必要です。
  • アップルは2024年2月、初のゴーグル型ヘッドマウントディスプレー(HMD)「Vision Pro(ビジョンプロ)」の販売を行っており、PC/タブレットなどに次ぐ、メインのデバイスを作る動きを活発化させています。
    しかし、価格は日本円で50万円程度の高額商品となっているため、普及には、低価格化や小型化などが必要と考えられます。

パソコン業界のグローバル戦略:海外進出の現状と課題

  • 国内市場の成熟に伴い、パソコン関連企業の海外進出が進んでいます。例えば、家電量販店最大手のヤマダ電機は2010年から中国市場への進出を開始しましたが、対日感情の悪化などの影響で店舗を閉鎖したりと、様々な外部要因によって、簡単な成功はできないでいます。
  • また、ベスト電器の子会社化を通じて海外展開を加速させる戦略を取りましたが、台湾やクウェートからの撤退を余儀なくされ、現在はシンガポール、インドネシア、マレーシアの3国に絞られています。

パソコン販売の二極化:ナショナルブランドとショップブランドの戦略

  • 市場の多様化に伴い、パソコンショップの戦略も二極化しています。一方では、ナショナルブランドのパソコンを中心にラインナップする戦略を取る店舗があり、これは主に大手家電量販店に見られます。これらの店舗は、初心者や一般ユーザーを主要なターゲットとし、売れ筋商品を中心に高い商品回転率を目指します。
  • パソコンショップの1つのビジネスモデルは、自社ブランドのパソコン(ショップブランド)の企画や組立てに重点を置いた商品展開です。こうした店舗は、大手メーカー製のパソコンに満足せず、より高い性能、低価格、そしてカスタマイズの自由度を重視する顧客層をターゲットにしています。主に中小規模の事業者がこのセグメントを担っています。
  • 技術進歩の速さと商品のライフサイクルの短さから、各ショップは在庫管理に特に注意を払い、モデルチェンジによる過剰在庫を避ける必要があります。

ショップブランドの課題と機会:カスタマイズ市場の成長

  • ショップブランドのパソコンを提供する店舗が直面している主な課題は以下の通りです。
  • 新しい種類のパーツをタイムリーに、かつ安価に安定的に供給できる仕入れルートの構築。
  • 顧客の多様な要求に応える高い技術力を持つスタッフの確保と、信頼性の高いパソコンを迅速に提供するための体制作り。
  • 顧客の信頼を得るための充実した保証とアフターサービスの提供。
  • かつては、ナショナルブランドのパソコンを主に取り扱う中小の店舗も存在しましたが、パソコンの普及と大手量販店の競争力に押され、多くが撤退や業態変更を余儀なくされました。ショップブランドを扱う中小店舗の起源は、1989年ごろに自作パソコン愛好家を対象に、主に東南アジアや中国から輸入した部品を販売していた店舗から派生したものであると考えられます。

パソコンショップの納品と保証サービス:顧客満足度の向上

  • 保証サービスに関しては、通常1年間の無料保証が付いており、追加費用を支払うことで保証期間の延長が可能な場合が多いです。

デバイスの多様性:パソコンの形態別概要とビジネス利用の選択肢

  • 商品の分類に関しては、次のようにまとめることができます。ただし、パソコン業界は新モデルの開発が活発であるため、これらのカテゴリーに当てはまらない革新的な製品も市場に登場しています。
    • デスクトップ型:これは机の上に設置するタイプのパソコンで、ノートブック型と比べて拡張性に富み、コストパフォーマンスが高く、盗難のリスクが低いため、業務用として企業での利用が一般的です。このカテゴリーにはタワー型のパソコンも含まれます。
    • ラップトップ型:こちらは本体、ディスプレイ、キーボードを一体化した形状をしており、日本ではノートブック型よりも一回り大きいサイズを指しますが、国際的にはノートブック型もこの範疇に含まれます。
    • ノートブック型:これも本体、ディスプレイ、キーボードが一体化しているが、サイズはA4ノート程度のものを指します。
    • タブレット型:タッチパネルを備えた液晶ディスプレイで、ペンによる文字入力が可能なデバイスです。最近では、キーボードとディスプレイを分離して使用できるモデルが増えています。
    • オールインワン型:大型モニターにPCの主要部品(CPU、メモリ、ハードディスクなど)を内蔵した一体型のPCで、キーボードやマウスは外付けで使用します。従来のデスクトップ型に比べ省スペースで、デザイン性に優れた製品が多く、20~25インチのモニターサイズが主流です。
    • 周辺機器:パソコンの機能を補完するためのハードディスクやメモリ、無線LANルータなどが含まれます。特にデータ保存用のハードディスクやSSDは、店舗においても重要な販売アイテムで、多様な記憶容量の製品が揃えられています。
  • パソコンショップでは、これらのパソコン本体だけでなく、プリンター、ドキュメントスキャナー、外付け光学ドライブ、オーディオスピーカー、デジタルカメラ、各種アプリケーションソフトウェアなど、多岐にわたる周辺機器や関連製品の取り扱いが必要です。

小型化と低価格化の波:モバイルPCの台頭と市場拡大

  • 2000年代には、PCはさらに低価格化、小型化が進み、ノートブック型PCが主流になってきました。特に、A4サイズより小さいモバイルノートPCは人気が高く、各メーカーの競争により低価格モデルも多く市場に出るようになりました。これにより、先進国だけでなく新興国でもPCの普及が進んでいます。
  • AppleのiPhoneやiPadのようなスマートフォンやタブレットが急速に普及し、その高い機能性によってPCとの境界があいまいになり、PC市場に新たな動きをもたらしています。
    近年では、ゲーム用にグラフィック機能を強化したPCや、仮想通貨のマイニングに適した高性能GPUを搭載したPCなど、特定の用途に特化した製品が市場に登場しており、PCショップもこのような多様なニーズに応える製品展開を進めています。

環境保護とパソコンリサイクル:業界の持続可能な発展

  • パソコン業界は環境保護の観点からも進化しています。2003年10月からは家庭用パソコンのリサイクルがスタートし、メーカーによる古いパソコンの回収とリサイクルが義務付けられました。

プログラミング教育の必修化と子供向けPC需要の増加

  • 教育分野では、2020年から小学校でのプログラミング教育が必修化されたことで、子供たちが家庭や学習塾でパソコンに触れる機会が増加しました。これにより、子供向けのパソコン需要が高まる可能性があり、パソコンショップでは親子でデモ機を体験し、購入の検討材料とするための情報提供が重要になります。

業界再編と大手企業の戦略:小売り戦略の見直し

  • 業界の再編の動きも見られ、大手企業による小売り戦略の見直しが進んでいます。家電量販店を含むパソコンショップの多くが薄利多売の戦略を取り、大量仕入れを行う必要があるため、大手企業を中心とした業界再編が進んでいます。2012年にはビックカメラがコジマを買収し、業界2位の地位を確立しました。同じくヤマダ電機はベスト電器を子会社化し、売上高2兆円を超える巨大グループへと成長しました。

ゲーミングPCと仮想通貨マイニング:特化製品の市場動向

  • ショップブランドを中心に展開し、近年成長を続けている企業の一例として、サードウェーブグループがあります。この企業は「ドスパラ」というブランドでパソコンショップを展開し、ゲーミングPCをはじめとするハイエンド製品を販売しています。仮想通貨マイニング向けの専用機種など、市場のトレンドに合わせた製品展開で、スマートフォンなどの競合製品と差別化を図っています。仮想通貨マイニングの需要は、規制動向などの市場環境の変化により、今後の展開が注目されます。

利益率とリベート:パソコンショップの収益構造

  • ナショナルブランドのパソコンの場合、ハードウェア本体の売上総利益率は最大で10%程度とされていますが、周辺機器はそれよりもやや高い数値を示すことが一般的です。平均的な購入額を考慮すると、売上総利益は数万円程度になると推測されます。また、メーカーとパソコンショップ間のリベート制度が存在し、それを利用した格安販売を行う店舗もあるようです。
  • ショップブランドのパソコンでは、構成部品の粗利益率は部品ごとに差がありますが、全体として高いわけではありません。そのため、カスタマイズを通じてどれだけの付加価値を提供し、全体としての粗利を確保できるかが重要になります。

支払いと回収条件:パソコンショップの財務健全性

  • 仕入れに対する支払いは通常、当月末締めの翌月末支払いが一般的です。販売は現金やクレジットカードによる決済が主流で、効果的な在庫管理により現金流の問題を回避できます。

運転資金と設備資金:パソコンショップの資金需要

  • 小売店の運転資金は人件費を除き、商品の仕入れ費用、店舗や設備の賃貸料などに充てられます。加えて、販売促進イベントやディスプレイの費用も季節に応じて発生します。
  • 開業時には、電源や通信設備の工事に加え、立地に応じて商品の配送車両の購入が必要となることもあります。

開業に関連する法律と規制:パソコンの回収とリサイクル義務

  • 関連する法律や規制においては、パソコンは資源有効利用促進法に基づき、製造元による回収やリサイクルが義務付けられています。この規制は2003年10月から、個人や家庭からのパソコン廃棄物にも適用されています。

収益性分析:パソコンショップ業界の利益確保能力

  • 企業の収益性を分析することは、利益確保の能力を測定する重要な指標です。全企業平均の総資本営業利益率は横ばいであり、資本回転率は良好で、資本効率が高いことを示しています。売上高営業利益率も小売業の平均と同等を保っています。

財務の安全性:パソコンショップの支払い能力と財務安定性

  • 企業の短期及び長期の支払能力を分析することで、財務の安全性が評価されます。パソコンショップ業界の当座比率と流動比率は100%を大幅に上回っており、短期的な支払い能力に問題はないと言えます。自己資本比率も小売業の平均より高く、長期的な財務安定性が確保されています。

融資制度と金融支援:パソコンショップの資金調達方法

  • 融資制度に関して、パソコンショップ特有の制度は見つかりませんが、開業資金として、日本政策金融公庫の「新規開業資金」や「新創業融資制度」を利用することができます。さらに、中小企業向けの金融支援策として、地方自治体や商工会議所などが提供するサポートや、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫などの金融機関が設けている制度もあります。

成長性分析:パソコンショップ業界の成長傾向

  • 企業の売上や利益の推移を分析することで、成長性を評価します。過去2年間の売上高比率は100%を超え、成長傾向にあることが確認できます。
  • 1人当たりの売上高はほぼ横ばいであり、小売業の平均を上回っています。これは、効率的な運営と生産性の高さを示しています。

キャッシュフロー分析:死蔵在庫が与える影響

  • 死蔵在庫が営業キャッシュフローに与える影響を検証することは重要です。経常収支比率が100%を超えており、年間を通じて現金収支に問題はないと言えます。支払いと収入のタイミングのズレは管理されており、運転資金の不足は少ないと考えられます。

収益向上の戦略:ハードウェアからソフトウェアへのシフト

  • 収益性を向上させるには、ハードウェアの販売だけでなく、高い採算性を持つソフトウェアや周辺機器の販売比率を増やすことが重要です。また、モデルチェンジに伴う死蔵在庫のリスクを考慮し、商品の効率的な回転を促す戦略も必要です。

経営改善のための取り組み:フランチャイズの活用

  • 商品の選定、価格競争を駆使した戦術、旧モデルの商品の効率的な販売方法、価格の魅力を前面に出したプロモーション、ポイント制度を取り入れた割引イベントなどの取り組みが挙げられます。
  • フランチャイズを活用して、中規模以下の小売業者が大規模チェーンと競合し、新たな顧客層を確保する戦略も有効です。

ダウンロード販売とクラウドの普及:ソフトウェア販売の変化

  • 従来、店舗での物理的な販売が一般的だったソフトウェアが、ダウンロード販売やクラウドを通じたアップデートへと移行する傾向が強まっています。この変化は、パソコン販売店の収益にも影響してくると見られます。

顧客サポートの重要性:技術サポートチームの役割

  • 店舗の主力製品やサポート体制に注目し、その強みを生かした取り組みが必要です。サポート体制については、専門の技術サポートチームを持つことで、単なる販売だけでなく、システム全体の提案を行う店舗も存在し、それが店舗の特徴となっています。

パーソナルコンピュータの歴史と進化

  • 1974年以前に製造されたコンピューターは、一般的に企業が使用する大規模な汎用機やワークステーションで、サイズも価格も大きく高かったものです。しかし1970年代、コンピューター科学者アラン・ケイによって提案された「ダイナブック」の概念は、個人ユーザー向けの小型で手頃な価格のPCの開発へと道を開きました。日本では一般的に「パソコン」と呼ばれるこれらの機器は、国際的には「PC」として知られています。
  • マイクロプロセッサの登場により、1974年には個人が所有できるPCの製造が始まりました。初期のPCとして認識されているのは、1974年12月にアメリカのMITS社から発売された「Altair 8800」です。日本におけるPCの歴史は、1978年にシャープが開発した「MZ-80K」が始まりとされており、初めは研究機関や特定の趣味を持つ人々を対象としていましたが、NECの「PC-98シリーズ」の成功、Mac OSやMicrosoft Windowsなどのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を持つオペレーティングシステムの登場により、PCは急速に職場や家庭に普及しました。

店舗運営の成功要因:知識豊富な販売員と体験型販売

  • パソコンという製品の特質を考えると、顧客に対する情報提供の役割も非常に重要です。顧客の細かいニーズに対応できる知識豊富な販売員がいるか、店内で実際に製品を体験できる環境が整っているかなど、財務データだけでは把握しづらい要素です。実際に店舗を訪れて確認し、慎重に競合を調査するべきです。
  • 新規に店舗を開業する場合には、先に述べたように、主力製品の選定やサポート体制の確立に向けた支援が求められます。
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
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