カーシェアリングって、個人でも儲かる?カーシェアリング業界の分析

目次

カーシェアリングが儲かるメリット・失敗すると儲からないポイント

カーシェアリング事業の稼働率と収益性

  • 自動車シェアリング事業において、稼働率の維持と向上は事業の収益性に直接影響します。目標とされる稼働率は50%以上であり、これを達成するためには安定した受注の確保が不可欠です。特に、利用者の多い20代や30代の男性が好むスポーツカーや高級車などの特定車種を取り揃えることで需要を掘り起こす戦略が有効ですが、これらの車種は高額な設備投資を要するため、稼働率の向上という目標とは反対の影響を及ぼす可能性があります。

シェアリングエコノミーのカテゴリーと自動車共有サービス

  • シェアリングエコノミーの対象は、物品、空間、技能、移動手段、金銭という五つのカテゴリーに分けることができ、自動車の共有サービスは「移動手段」のカテゴリーに分類されます。このカテゴリーでは、個人が所有する車を使って他人を運ぶライドシェアリングやカーシェアリングが典型的な例であり、日本国内外で多様な事例が見られます。

日本におけるカーシェアリングの法的枠組み

  • 日本では、Uberのような配送サービスを非営業の自家用車で行うことは法律によって制限されています。そのため、本稿では、企業が所有する車両を会員に短時間貸し出すビジネスモデルをカーシェアリングとして捉えます。

自動車産業の変化とカーシェアリング

  • 需要と供給の動向を見ると、日本の自動車販売台数は1990年の780万台をピークに減少し続けており、近年では500万台前後で安定しています。これは自動車販売の長期的な低下を示しています。一方、カーリースとレンタカーの市場は成長を続けており、特にリース市場は大幅に拡大しています。このことから、従来の車の所有という概念に変化が生じていることがうかがえます。

カーシェアリングの国内外展開とビジネスチャンス

  • 海外に目を向けると、カーシェアリングの市場は欧米を中心に拡大しており、多くの大手自動車メーカーが新たなビジネスチャンスとして参入しています。これに比べると、日本のカーシェアリング事業者による海外展開はまだ始まったばかりであり、例えば三井物産がシンガポールでカーシェアリング事業を展開するために現地企業と資本提携を行ったり、伊藤忠商事がイギリスでのカーシェアリング事業に参入したりするなど、初期段階の動きが見られます。
  • このように、カーシェアリングは日本国内外で注目されるビジネスモデルとなっており、都市部を中心に普及しつつあります。同時に、自動車産業全体も新しい需要と供給のパターンに適応し、変化している様子が見て取れます。

カーシェアリング市場の成長と将来性

  • カーシェアリングの市場については、市場全体の正確なデータを得るのは難しいですが、国内のカーシェアリングステーションの数や会員数は年々増加しており、その成長は確実なものと言えます。
    また、カーシェアリング比較サイトによると、主要なサービスプロバイダーのステーション数や車両数も増加傾向にあり、この業界の将来性は非常に明るいと考えられます。
  • このように、シェアリングエコノミー、特に自動車の共有は、個人が持つ資源を効果的に活用し、経済活動を促進する新しい形の経済活動として注目されています。この動きは、日本国内に限らず世界中で広がりを見せており、今後もその発展に大きな期待が寄せられています。

自動車メーカーとカーシェアリングサービスのシナジー

  • これらのサービスは、自動車利用のニーズや状況に応じて異なる選択肢を提供し、特にカーシェアリングは、新しいライフスタイルや環境意識の高まりとともに、今後さらなる発展が期待されています。自動車メーカーにとっては、これらのサービスを通じて新たな顧客層にアプローチし、ブランドの魅力を伝える機会ともなり得ます。
  • タイムズカープラスは自動車シェアリング業界においてトップの地位を築いていますが、その成功の秘訣は既存の駐車場事業を活用している点にあります。同社は自社の時間貸し駐車場を運営しており、これを利用して自動車シェアリングのための駐車スペースを提供することができるため、新たに土地を確保するための交渉や追加費用が不要です。特に、駅の近くや住宅地に位置する自社の駐車場では、空いているスペースを有効活用して自動車シェアリングサービスを提供しています。

シェアリングエコノミーの概要

  • シェアリングエコノミー、特に自動車の共有サービスに関しては、現代経済の新たな動きとして注目されています。この動きは、主にインターネットのプラットフォームを活用して、個人が所有する活用可能なリソースを他者と共有し、経済活動を活性化させる取り組みとして理解されています。
    この定義には、形ある資産だけでなく、スキルや時間のような無形の資源も含まれます。この分野自体はまだ新しく、歴史が浅いです。

カーシェアリング利用の動向と若年層の関心

  • カーシェアは過去数年と比較して利用率が顕著に向上しており、特に20代の新規会員の増加が目立っています。若年層、特に10代と20代はカーシェアリングへの関心が高く、今後もこの年代を中心にサービスの普及が進むことが期待されています。利用目的に関しては、「ドライブ」や「レジャー」が多く挙げられ、移動手段としてだけでなく、運転の楽しみやレジャー活動へのアクセス手段として利用される傾向があります。特に若年層からは、スポーツカーや高級車など、さまざまな車種を試したいというニーズが高まっています。

カレコ・カーシェアリングクラブの利用者動向

  • カレコ(カレコ・カーシェアリングクラブ)を選ぶ主な理由として「乗りたい車がある」が多く、特に若い男性からの支持が高いことが分かります。また、ステーションの利便性とコスト面が加入動機として重要であることが明らかになっています。

カーシェアリング企業の事業拡大と市場の相互影響

  • 供給面では、主要なカーシェアリング企業が駐車場事業やレンタカー事業から事業拡大を図っており、市場の拡大に伴い、自動車シェアリングとレンタカーのサービス内容が相互に影響し合うようになっています。
    例えば、タイムズカープラスは短期間の利用に対応するため最大3カ月のプランを設定し、カレコ・カーシェアリングクラブは都内で1週間から3カ月の長期貸し出しサービスを開始しました。一方、ニッポンレンタカーは会員向けに最短3時間からの貸し出しプランを提供し、スマートフォンアプリを通じての予約システムを導入しています。

カーシェアリングの地理的分布と利用動向

  • 東京、大阪、神奈川、愛知の4つの都府県にステーションが集中しており、全体の約70%を占めています。これは人口が密集している地域や鉄道網が発達しているエリアにステーションが多く設置されていることを示しており、カーシェアリングは主に都市部で利用されるビジネスモデルであると言えます。一方、車が日常生活に不可欠な地方では、カーシェアリングが普及しにくい傾向があります。

法規制遵守とカーシェアリングサービスの制約

  • 自動車シェアリング事業を展開する上で、道路運送法、道路運送車両法、車庫法、道路交通法などの法律を遵守することが必要です。
    日本では、個人の車を使ったライドシェアリングが「白タク行為」として禁止されており、自動車シェアリングサービスにも特定の規制が適用されます。
    例えば、乗り捨てが可能なシェアリングサービスは、車庫法による保管場所の届出義務などの制約により、日本では実施が難しい場合があります。レンタカー業界では乗り捨てが可能ですが、これはレンタカー会社の従業員が車両を元の営業所に戻すという前提に基づいています。

CASE戦略と自動車メーカーのカーシェアリング参入

  • この背景には、自動車業界のCASE(コネクテッド、オートノマス、シェアリング、エレクトリック)戦略があり、国内の大手自動車メーカーがカーシェアリング事業に積極的に参入しています。トヨタは全国の販売店でスマートフォンを使ったカーシェアリングサービスを開始し、試乗車の有効活用を図っています。これらの動きは、カーシェアリング市場の拡大とともに、自動車の利用形態が多様化していることを示しています。

カーシェアリングとレンタカーのサービス比較

  • カーシェアリングは、登録済みの会員が特定の車両を共有するサービスで、レンタカーに近いものの、通常よりも短期間の利用を前提としていて、利用者にとってより便利かつコスト効率の良い選択肢となるよう設計されています。たとえば、週末の買い物などの短時間の用途に最適で、利用時間に応じた料金体系が設けられている点が特徴です。駐車場事業や不動産会社が主に運営しており、スマートフォンアプリを通じて車両を予約・利用するシステムが一般的です。
  • レンタカーは、一時的に車が必要な場合に適したサービスで、利用時間に応じて料金が発生し、ガソリン代は利用者負担です。定期的な費用はかからず、旅行や出張などの特定のニーズに応える形で利用されます。一方で、カーリースは数年間の契約を通じて車を利用するサービスで、リース料金には車両本体価格や税金などが含まれ、長期的かつ頻繁な使用に適しています。

NTTドコモのカーシェアリング事業モデル

  • NTTドコモは「dカーシェア」として独自のアプローチを採っており、自社で車を保有することなく既存のシェアリングサービスと提携して市場に参入しています。
    このモデルでは、個人ユーザーは利用ごとにクレジットカードで料金を支払い、月額基本料金内であれば追加料金なしでサービスを利用できますが、基本料金を超えた利用分については別途料金が発生します。法人顧客に対しては、基本料金が無料のプランを提供しており、資金回収の期間も短いとされています。

カーシェアリング事業の経営課題と支出構造

  • 自動車シェアリング事業の運営には、車両の維持管理や人件費、その他の経費など、様々な支出が伴います。レンタカー業界では、新車の購入サイクルや稼働率が重要な経営要素となります。
  • カーシェアリング事業を運営するには、日常の運営に必要な運転資金の安定性や、新車購入などのための設備資金の需要、そして返済資金の状況が重要なポイントとなります。

新規参入企業の価格戦略と経営安定性

  • カーシェアリング事業に、新規参入する企業は顧客獲得のために採算を度外視した価格設定を行う場合があるため、経営の安定性や持続可能性が低いケースもあります。

自動車シェアリングに関わる税制とその影響

  • 自動車シェアリング事業に関わる税金には、購入時の自動車取得税、保有段階での自動車税や軽自動車税、自動車登録時や車検時に発生する自動車重量税など、複数の税金がかかります。2019年10月の消費税率引き上げに伴い、自動車取得税は廃止され、燃費課税が導入されることになりました。これらの税負担は、事業運営において重要な経費の一部となります。

カーシェアリング事業のキャッシュフロー管理

  • 自動車シェアリング業界では、現金販売が主流であり、日々のオペレーションにおいてキャッシュフローの管理は比較的シンプルです。
    ただし、新車購入などの大規模な投資活動やそれに伴う借入れが発生する際には、企業の規模や返済能力を踏まえた上で、これらの活動が適切な範囲内に収まっているか慎重に経営判断する必要があります。

自動車利用形態の多様化とカーシェアリングの拡大

  • 自動車業界におけるレンタカーやカーシェアリングの拡大は、新車の販売数減少への影響が懸念される一方で、実際の運転体験を通じての購入促進や、将来的な大量購入の可能性といったポジティブな側面も考慮されています。カーシェアリングの概念はスイスで始まったとされ、日本では1988年にシーズが外国車専門のカーシェアリング事業としてスタートしましたが、その後しばらくは普及が進まず、近年になってようやく本格化しています。

カーシェアリング事業の財務指標分析

  • カーシェアリング事業は、売上高総利益率は比較的高いものの、売上高経常利益率は低く、販売費や一般管理費が多く発生していることが見て取れます。
    総資本回転率が1を下回ることから、自動車や店舗開発などへの固定資産投資が経営上の重要なポイントであることが分かります。
  • 安全性に関しては、自己資本比率が20%に満たない低い水準にありますが、流動比率が100%を超えているため、短期的な安全性については大きな懸念はないと考えられます。ただし、設備投資の規模や資金繰りには注意が必要です。

カーシェアリング業界の生産性と人件費の動向

  • 生産性に関しては、1人当たりの売上高や経常利益に年ごとの変動が大きく、1人当たりの人件費が毎年増加傾向にあることが確認されます。中小規模の事業者では、過当競争による料金の低下が収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

経営改善と収益向上戦略

  • 経営改善や収益向上に向けては、稼働率の向上が重要なポイントですが、価格を大幅に下げることで稼働率を上げる戦略は、固定費の多い設備産業である自動車シェアリング業界において、収益性を損なうリスクがあります。したがって、価格設定と収益性のバランスを考慮した対応が求められます。
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
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