「ボクシングジム」の独立開業で儲かる極意。成功と失敗のポイントも解説。

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「ボクシングジム」の開業が儲かるメリット・失敗すると儲からないポイント

フィットネス市場とボクシングジムの融合

  • 東京都新宿区に位置する協栄ボクシングジムは、1959年に設立されて以来、日本で最も多い13人の世界チャンピオンを輩出しています。このジムは、プロボクサーを目指す人から、フィットネスやダイエットに興味がある人、さらにはジュニアまで、多様なニーズに応えるプログラムを提供しています。
  • 練習スペースは2フロアに渡り、公式リングも2つ設置されています。シェイプアップを目的としたボクシングプログラムも豊富で、フィジカルトレーニング、実践的なクラス、ボクシングフィットネス、技術向上のためのコーディネーション、ジュニア向けクラス、体力強化のためのコンディショニングクラスなど、様々なクラスが用意されています。
    30名以上のインストラクターが、各クラスでの指導を担当しています。
  • 一方、横浜市神奈川区にある大橋ボクシングジムは、元WBC・WBA世界ストロー級王者の大橋秀行が1994年に設立しました。
    このジムからは、川嶋勝重、人見絹枝、宮尾綾香、井上尚弥、井上拓真といった多くのチャンピオンが生まれています。
    ジムは、テレビ局やプロモーターとの協力のもと、世界戦を定期的に開催しており、また、後楽園ホールで「フェニックスバトル」などのイベントも主催しています。

開業準備と事業継続性の確保

  • ボクシングジムを開業する際には、収支計画やビジネスプランの作成、施設の整備、スタッフの確保など、多くの準備が必要です。
  • ボクシングジム経営は人的魅力に依存する側面が強いため、事業の継続性にも配慮が必要です。
    いくら優秀な人材を確保しても、トレーナーが対応できる顧客の数には限りがあります。
    そのため、集客だけを強化してしまうと、結局は顧客満足度が下がり、解約率が上昇することから、利益最大化にはつながりません。採用と、集客のバランスをそれぞれの質を含めて検証することが重要です。
  • 親族内での承継だけでなく、第三者への承継も検討することが今後の課題となります。

日本プロボクシング協会とその独自の役割

  • 日本プロボクシング協会(JPBA)は、日本のプロボクシング業界を代表する団体であり、この協会に加盟していないジムは、プロボクサーの育成や管理を行うことができません。

日本ボクシング市場のトレンド

  • ボクシングジムの中には、女性や中高年の健康への関心の高まりを捉え、ボクササイズなどのプログラムを取り入れて会員数の増加に努めるところも出てきています。
  • 今後については、プロボクサーを育成するジムの急速な拡大は期待薄ですが、フィットネスとしてのボクササイズは需要の高まりが見込まれ、適切な対応を行うことで安定的な成長が見込まれます。

伝統と革新:名門ジムの運営と継承

  • 一般に、多くのジムは中小規模であり、かつての世界チャンピオンが経営するジムや、長い歴史を持ち多くのチャンピオンを輩出したジムは、多くの練習生を集めています。
  • 例えば、東京都練馬区にある三迫ボクシングジムは、日本および東洋王座を獲得した三迫仁志によって1960年に設立され、2014年には初代会長の息子が2代目会長に就任しました。
  • このジムは1970年代に輪島功一、1980年代に三原正や友利正といった世界チャンピオンを輩出し、現在では「三迫一門」として子ジムや孫ジムを含めた大きなネットワークを形成しています。ボクササイズを含めた練習生は約170名に上ります。

ボクシングジム運営の基礎:JBCライセンスとJPBA加盟

  • 日本のプロボクシング界において、日本ボクシングコミッション(JBC)と日本プロボクシング協会(JPBA)は、それぞれ異なる役割を担っています。
  • JBCは、ライセンスの発行、ランキングの管理、試合のルール設定などの業務を行い、一方のJPBAは、試合の興行やイベントの運営を主に担当しています。
  • ボクシングジムの運営には、JBCへの登録が不可欠で、ジムのオーナーはJBCからクラブオーナーライセンスを取得する必要があります。このライセンス取得には、登録料が必要です。
  • JPBAに加盟するための費用は、その経歴に応じて変わり、元日本チャンピオン、元東洋太平洋チャンピオン、元世界チャンピオンはそれぞれ異なる料金が設定されています。

日本ボクシング市場の現状

  • 日本のボクシング市場を見ると、日本ボクシングコミッション(JBC)によれば、2021年には年間で147回のボクシングイベントが開催されました。この中には、世界タイトル戦が9回、東洋太平洋タイトル戦が13回、WBOアジアパシフィックタイトル戦が14回含まれています。
  • しかしながら、高校生を中心とした競技人口は、2003年の3,859人から2021年には1,875人に減少し、全体としては約5,000人程度と見積もられています。
  • ただし、公式な試合に参加しないが、スパーリング大会などの非公式な試合に参加する人々を含めると、その数はさらに倍増します。加えて、フィットネスとしての「ボクササイズ」に参加する会員数は20万人を超えると推測されます。

日本ボクシングの黎明期:日倶の設立とその影響

  • 日本でのボクシングの正式な始まりは、1921年にサンフランシスコでボクシング選手として名を馳せた渡辺勇次郎が帰国したことによります。
  • 彼はその年の12月、東京の目黒区に「日本拳闘倶楽部」(通称:日倶)を設立し、これが日本におけるボクシングスポーツのスタートラインと見なされています。
  • このクラブは、専門的なトレーニング施設として知られ、数多くの著名なボクサーを育て上げました。その中には、後に帝拳の創始者となる荻野貞行や、人気ボクサーのビストン堀回などが含まれています。

コロナウイルス危機と日本ボクシング界の復興

  • JBCは、2022年3月31日に、コロナウイルス感染症の流行による試合数の減少などの影響で、法人継続の基準を満たせなくなり解散することを決定しました。
  • しかし、その後の支援により資金が回復し、法人としての活動を続けることができることになりました。

プロボクシング興行:ジムオーナーの収益源

  • ボクシングジムは、プロボクサーの試合を興行することが特徴の一つです。特に有名なオーナーが運営するジムでは、大きなタイトルマッチを主催し、高額な収益を上げることもあります。
  • 試合の興行を行うには、JBCの認定するライセンスが必須です。プロモーターも同様にライセンスを必要とし、試合の組み合わせを決定する役割を担います。
  • なお、アマチュアボクシングやフィットネス目的のジムでは、このようなライセンスは不要です。

チャンピオン制度の導入:目標設定と選手育成の新時代

  • 日倶は1922年の秋には、選手たちに目指すべき目標を提供するために、チャンピオン制度を導入しました。これは、日本におけるチャンピオンの概念の始まりとされています。
  • 翌1923年2月には、日倶の指導者であった臼井金太郎が、東京の上野にある輪王寺で、学生によるボクシング試合を主催しました。これが、日本で初めてのアマチュアボクシングの試合とされています。
  • 1924年4月には、日比谷公園音楽堂で、日倶が主催する初のタイトル戦「第1回日本軽体重級拳闘選手権試合」が行われ、最初の日本王者が誕生しました。

地域別ボクシングジムの分布と特性

  • 地域的な特性として、ボクシングジムは全国に分布していますが、JBCの2021年11月の資料によると、全国に272あるジムのうち、東京都に61ジム、大阪府に32ジム、神奈川県に20ジムが存在し、これら3地域で全体の約41.5%を占めています。
  • ジムの立地は、駅の近くだけでなく、住宅地にもあります。ジムのコンセプトによって、本格的なボクサーの育成を目指すのか、健康やダイエットを重視するかによっても立地が異なってきます。

ジム運営と継承:日本プロボクシング協会の世襲制度

  • JPBAはジムの運営権の継承を基本的には世襲に限定しており、家族以外にジムを譲渡する場合は、新たに加盟料を支払う必要があります。
  • ジムの設立は、オーナーの個人資金を用いて、住宅地や駅周辺に多く見られます。トレーニング指導は、オーナーが直接行う場合もありますが、多くは専任のトレーナーが担当します。

開業に関連する法律やルール

  • 日本ボクシングコミッション(JBC)のライセンス認定や、消防法、建築基準法、都市計画法などの法規制の遵守も必要となります。

ボクシングジム経営の財務データと業界比較

  • ボクシングジムの経営に関する財務データは、一般的な指標では得られないことが多いです。そのため、他の演芸やスポーツ興行団体の財務データを参考にすることもありますが、業種の多様性や興行の規模の違いを考慮して、これらのデータを参考程度に留める必要があります。
  • ボクシングジムは、月々の現金収入が見込めるため、流動比率や当座比率が高く保たれていることが特徴です。
  • しかし、初期投資が大きいため、自己資本比率を高めに設定し、安定した経営を心掛ける必要があります。また、トレーナーの質が顧客の満足度に直結するため、適切な人材の確保も重要です。
  • 良くも悪くも人件費が、顧客の集客コストと、継続率に大きく影響するのが、ボクシングジム業界の大きな特徴です。

ボクシングジムの拡大:東京の拳闘クラブブーム

  • 1924年には、「東京拳闘会」が立ち上げられ、それに続いて浅草に「パーク拳闘倶楽部」、銀座に「銀座拳闘倶楽部」、そして駒込に「クインズベリー拳闘倶楽部」が設立されました。
  • 1926年には新橋に「帝国拳闘協会拳道社」(帝拳)が設立され、1931年には「全日本プロフェッショナル拳闘協会」が組織されました。これが協会の起源とされています。
  • この時点でのメンバークラブ(ジム)には、大日拳、帝拳、日倶、東洋拳、東京ボクシング倶楽部、東亜拳闘倶楽部の6つが含まれていました。
  • 当時の協会は、現在とは異なり、競技の統制や選手権の認定、選手の育成などを行う目的で設立され、現代のコミッションが担っている役割も果たしていました。

U15大会と若年層へのボクシング普及

  • 2008年に始まった15歳以下の選手を対象とした大会(U15大会)は、ボクシング人口の広がりに一役買っています。
  • 近年、健康意識の高まりを背景に、フィットネス向けのコースを設けているジムが増えており、女性や退職した世代を中心に、ボクササイズなどの楽しみを見つける人が増加しています。

ボクササイズの人気とジムの料金体系

  • ジムによっては、ジュニア向けのコースを設け、平日の夜や週末に多様なクラスを提供し、需要の拡大を図っています。料金体系は、入会金と月謝から成り立っており、入会金は概ね1万円から2万円、月謝は1万円程度が一般的です。

ボクシングジム運営の課題と機会

  • ボクシングは、フィットネスやエアロビクスと比べてハードなイメージがあり、一般的な運動ではないと感じられることがあります。
  • ボクササイズの普及や、初心者でも気軽に参加できるコースの開発、文化教室などとの提携など、取り組むべき課題がまだ多く残されています。ジムとして顧客を維持し、拡大していくためには、評判を高めることはもちろん、提供するメニューをどのように差別化できるかが重要です。
  • 特に、本格的なボクシングトレーニングを中心にしたジムでは、注目を集める有力選手の育成や興行収入の増加を目指すことも大切です。

ボクシングジム開設・開業の基本要件と運営戦略

  • ボクシングジムを設立し、運営するにはいくつかの業務特性と立地条件を考慮する必要があります。まず、本格的なボクシングジムを開設するためには、適切なライセンスの取得が必須です。
  • また、この業界では興行収入が重要な収益源となるため、その仕組みを理解し、適切に管理することが求められます。
  • 元世界チャンピオンなどの有名なオーナーが運営するジムでは、タイトルマッチなどの大きなイベントを通じて、多額の収入を得ることが可能です。
    つまり、あくまでもビジネスとしてドライに見た際、「知名度と実力のある人材」は、ある意味「集客のための広告」としての機能を果たしているのです。
  • しかし、オーナーとして成功するためには、世界チャンピオンである必要はなく、また、世界チャンピオンであっても自動的にオーナーになれるわけではありません。

開業の立地選びの重要性とジムの設備要件

  • ボクシングジムの成功のためには、場所選びが重要になります。賃貸物件でも問題ありませんが、立地条件、施設の耐久性、リングやトレーニングスペースの広さなど、多くの要素を考慮する必要があります。ジムを訪れる利用者を増やすためには、外から見えやすい1階の物件が理想的です。

プロボクシングの制度とライセンス取得の重要性

  • プロボクシングの格付けと試合クラスについては、日本ボクシングコミッション(JBC)による規定に従う必要があります。
  • 公式試合に出場するには、JBCの認定が必要であり、プロモーター、ボクサー、クラブオーナー、マネジャー、トレーナー、セコンド、レフリー、ドクターなど、試合に関わる全ての人々がライセンスを取得していなければなりません。
  • 試合クラスは、ノンタイトルマッチとタイトルマッチに分かれており、出場資格もそれぞれに定められています。

JBCの役割と国際基準の適用

  • JBCは、国際的なプロボクシングの原則に従い、「1国1コミッション」という規則のもと、日本におけるプロボクシングの統括機関として機能しています。試合の認定、ライセンスの発行、選手の健康管理や安全対策など、幅広い業務を担っています。

収入源としての会員費と興行収入

  • ボクシングジムの主な収入源は、会員からの月謝と試合の興行収入です。一般的な会員費は月に約1万円程度であり、興行収入は試合の観客動員数に大きく依存します。
  • ただし、年間で開催される試合の回数は限られているため、著名なボクサーを抱えていないジムは興行収入に頼ることが難しいかもしれません。
    それでも、ボクシングジムは現金払いが基本であるため、比較的流動性が高い業種と言えます。

日本ボクシングコミッションの創設とその影響

  • 終戦の翌年1946年に、日本のボクシング界は迅速に復興し、「日本拳闘協会」が28のジムの協力を得て発足しました。
  • 1952年には、自井義男が世界フライ級のタイトルに挑戦したことを契機に、コミッションの設立が求められるようになりました。
  • この流れを受けて、同年4月20日には田辺宗英を初代コミッショナーとする「日本ボクシングコミッション」(JBC)が組織されました。

資金調達の戦略と運営資金の管理

  • ボクシングジムの経営において、資金の調達は重要な要素です。短期的な資金ニーズとしては、大規模な興行の際に前払いが必要となることがあります。
  • これには会場費、チケットの事前購入、販売促進活動などが含まれ、特に大きなイベントでは多額の費用がかかる可能性があります。このため、金融機関と良好な関係を築き、必要に応じて短期資金を調達できるようにしておくことが望ましいです。
  • 長期的な資金ニーズに関しては、ジムの設立や設備更新時に発生します。特に、女性や中高年の新規顧客をターゲットにする場合、最新のトレーニング機器の導入や施設の改装が必要となることがあります。
  • ボクササイズなどのトレーニングを受け入れるためには、女性用の更衣室やロッカー設備の拡充など、セキュリティ面での配慮が必要になることもあります。また、衛生対策への投資も、継続的に行う必要があります。

クラブ制度:日本ボクシング独自の選手管理システム

  • ボクシング界では、選手たちは個別にトレーナーやビジネスマネージャーを見つけ、試合を組むプロモーターと協力し、練習施設を自ら契約する必要があります。
  • 欧米におけるマネジャー制度とは異なり、日本のボクシング界では「クラブ制度」と呼ばれる独自のシステムが採用されています。これは、ジムが選手を直接所属させ、管理する仕組みです。
  • プロ選手の場合、JBCからオーナーライセンスを取得した者がクラブの責任者となり、ジムの運営を担当します。この「クラブ制度」は手続きが一度で済む利点がありますが、他のクラブへの移籍を希望する場合には制約が伴うというデメリットも存在します。

経営指標の分析とサービス改善の必要性

  • 経営指標については、収益性が低下傾向にあるとされています。これは、コロナウイルスの影響による試合数の減少や会員数の減少が主な原因と考えられます。
  • 生産性の面では、一人当たりの経常利益も減少傾向にあり、新しいサービスへの取り組みが求められています。

会員ニーズに応えるサービスの提供と質の管理

  • ボクシングジム経営におけるチェック事項としては、設備だけでなく提供するサービスの質が重要となります。会員数の拡大と収益の向上を目指すには、会員のニーズに合った魅力的なサービスの提供が求められます。

興行収入と会費収入の効果的な管理

  • ボクシングジムの経営では、資金の流れを細かく管理することが求められます。興行や会費など、収入の多くが現金で得られるため、特に興行を行う際は事前に必要な資金を準備し、資金繰りに注意を払う必要があります。
  • 毎月の会費収入と必要経費の予測を立て、キャッシュフローを効果的に管理することが重要です。新型コロナウイルス感染症対策の助成金など、手元のキャッシュが増加している場合でも、これを次の事業展開にどう活かすかが課題となります。

新型コロナウイルスの影響とボクシングジムへの対応

  • コロナ禍の影響により、ボクシングジムへの通い続ける会員数の確保が難しくなっていますが、体力向上や健康維持、美容効果などのニーズは依然として存在します。
  • これらのニーズに応えるサービスを提供し、新規顧客の獲得に努めることが求められます。

新規市場開拓のためのデジタル戦略とオンラインサービス

  • 興行収入の面では、従来のテレビ放映に頼らない収入源として、有料の配信サービスが注目されています。例えば、井上尚弥選手の世界タイトル戦では、有料配信が行われました。
  • 会費収入においても、オンラインプロボクシングジムの開設など、新たな取り組みが進められています。これらは新規市場開拓のヒントになるでしょう。
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
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