「自転車屋さん」の独立開業で儲かる極意。成功と失敗のポイントも解説。

目次

「自転車屋さん」の開業が儲かるメリット・失敗すると儲からないポイント

自転車小売店の収益性と利益率

  • 収益性に関しては、完成車の売上総利益はおおむね20~35%、部品では25~35%、中古車では30~40%、修理では70~80%程度と見込まれます。これらの指標は、ビジネスの推進にあたって重要な判断基準となるでしょう。

市場変化への適応と小規模店舗の差別化戦略

  • 小規模自転車店舗の経営状況改善と収益性向上には、特に市場の変化に対応した戦略が求められます。
    インターネット販売の拡大や大型量販店との価格競争に直面している現状では、小規模店舗が生き残るためには差別化が不可欠です。
  • 特定のニッチ市場、例えばロードレーサーなどの特殊自転車を扱う店舗がサイクリングイベントを開催し、顧客との強い絆を築く取り組みや、環境に配慮した製品を提供することで価値を高める事例があります。

小規模事業から大型チェーンへの市場シフト

  • 事業所数の推移に目を向けると、1985年以降の約30年間で、店舗数は3分の1以下に減少しました。市場の大部分を占めるのは、1~2人の従業員を持つ小規模な事業所で、これらの数は減少しています。
  • しかし、一方で、あさひのような全国チェーンの大型店や量販店の出店が増えています。自転車専門店での購入比率も上昇しており、街の自転車店が市場の2.6%を占めています。

自転車屋さんの業態と特徴

  • 自転車屋さんの業態にも様々な分類があります。
    • 専業店は、新車や中古車の販売、部品販売、修理・サービスを専門に行う一般的な小売店です。
    • 兼業店は、自転車の販売に加えてオートバイなども取り扱い、兼業比率が40%程度の店舗です。
    • 郊外型の大型スポーツ用品店でスポーツ車やマウンテンバイクが販売される例もあります。
    • 複合店は、オートバイや自動車の整備、各種自動車部品などを含む、兼業比率が40%以上で主力商品が複数ある店舗を指します。

自転車市場の季節的変動と顧客層

  • 自転車の市場における季節的な変動は、特に若年層が主要な顧客層である幼児車や子供車、スポーツ車において顕著で、新学期の始まりである3月から4月にかけて需要が高まります。
  • また、スポーツ車やマウンテンバイク(MTB)などのレジャー向け自転車にも、思わず外に出かけたくなるような春の訪れとともに需要が増加する傾向があります。

自転車屋さんの売上規模別の事業戦略と展望

  • 自転車屋さんの売上規模や事業形態に応じた分析を行うと、それぞれの事業戦略や将来の成長見込み、課題点が明確になります。
  • 例えば、年商500万円の規模の店舗は、創業者の個人事業としての特性が強く、副収入源を持つことが多いです。この規模の店舗では、売上の大半が修理収入から来ており、高い利益率と低い経費から無借金経営が可能です。
  • 年商1,500万円の店舗は、夫婦や家族経営が一般的で、自転車小売業の標準的な形態を示しています。こうした店舗は積極的な営業戦略を展開しており、成功すれば大きく成長する可能性を秘めています。
  • 年商4,000万円規模の店舗は、大量販売によるスケールメリットを享受している一方で、利益率はやや低めです。
  • そして、年商1億円を超える店舗は、主に郊外型の大型ディスカウント店や、オートバイやスポーツバイクを取り扱う専門店に限られます。

日本の自転車業界の成長の歴史

  • 日本の自転車業界は、明治時代の初期に最初の自転車が海外から持ち込まれた時期にその起源を持ちます。1945年には、国内に約5686万台の自転車が存在していましたが、戦後の時期にはその数は劇的に増加し、2005年にはおよそ86647万台に達しました。実に60年間で約15倍の増加をしています。
  • 2005年をピークに、自転車の保有数は減少傾向にありますが、自転車が国民生活における必需品であることに変わりはありません。

開業後の経営改善のための在庫管理と売上最適化

  • 経営改善の方向性として、商品の在庫管理や売上構成の最適化が重要です。電動アシスト自転車やスポーツ自転車などの人気商品の在庫を適切に管理し、収益性の高い部品の販売、修理サービス、中古自転車販売を通じて安定した収益を確保することを推奨します。
  • また、採算性とオーナーのこだわりが感じられるような独自性のバランスを重視し、安定した収益源の有無を確保することが重要です。

自転車選びのライフステージと多様性

  • 自転車の購入者は、性別や年齢によって好む車種が異なり、幼児期から成人期に至るまで、ライフステージに応じて異なるタイプの自転車を選ぶ傾向があります。このように幅広い層からの需要があるため、自転車市場は潜在的な顧客層が厚いと言えます。

自転車屋さんの仕入れ戦略とカスタマイズサービス

  • 自転車屋さんは通常、複数のメーカーから製品を仕入れ、完成車のみならず、半製品や部品を取り扱うこともあります。
    後者の場合、効率的な部品の仕入れによって高い利益を生み出すことが可能ですし、顧客の要望に応じてカスタマイズされた完成車の組み立ても行えます。支払いと回収に関しては、多くの場合、現金決済が主流です。

資金調達のポイント

  • 資金調達の際には、金融機関からの確認事項としては、売上構成、顧客管理、流行に合った商品の取り揃え、価格競争力、店舗の特色などが見られます。

自転車市場の現状と将来展望

  • 市場全体としては、シティ車の減少にもかかわらず、スポーツ車や電動アシスト自転車の販売は増えており、全体の販売台数は若干減少していますが、市場規模はある程度維持されていると見られます。
  • しかし、インターネット販売などの販売チャネルが増えることによる価格競争の激化や、人口減少を考慮すると、市場規模が大幅に増加する見込みは低いです。

シェアサイクルサービスの影響と市場への影響

  • シェアサイクルサービスには、NTTドコモやソフトバンクなどの大手企業が参入しており、これが自転車販売台数に大きな影響を与える可能性があります。
  • 特に、ソフトバンクはセブン-イレブンとの協業を開始しており、シェアサイクルの普及が進めば、自転車の販売に変化が生じる可能性があります。

小規模小売店の挑戦と差別化戦略

  • 事業所数が減少している、フランチャイズにも加盟してないような、小規模な自転車屋さんは、今後さらに経営が厳しくなることが予想されます。
  • これらの自転車屋さんは、量販店やインターネットで購入した顧客の修理やメンテナンス、自転車の組み立てサービスなど、商品以外での差別化による顧客獲得が今後の成功を左右することになります。

自転車の種類と用途別分類

  • 自転車の種類に関して、自転車産業振興協会では以下のカテゴリーで分類しています。
  • シティ車:日々の生活での移動手段として利用され、標準的な仕様で重量は10~20kgです。変速機を備えたモデルも含まれます。
  • 電動アシスト自転車:電動モーターを補助動力として設計された自転車で、二輪または三輪であり、変速機を備えるものもあります。
  • マウンテンバイク:荒れ地や山岳地での使用に適した設計で、26インチのサイズが一般的です。フラットハンドル、カンチレバーブレーキ、ミドルレンジの変速機が特徴ですが、24インチ以下のジュニア用は除外されます。
  • 子ども用自転車:子どもたちが遊びや日常の移動に使用する自転車で、24インチ以下のサイズと13~18kgの重量が特徴です。ジュニア向けのスポーツ自転車やマウンテンバイクも含まれます。
  • レディース車:主に女性向けに設計された自転車で、重量は10~20kgです。このカテゴリーにも変速機を備えたものがあります。
  • 幼児用自転車:学齢前の子どもたちが遊び用として使用する自転車で、18インチ以下のサイズと13~15kgの重量が特徴です。
  • 折り畳み自転車:収納や持ち運びの便利さを提供するために折り畳み可能な機能を有しています。
  • スポーツ自転車:サイクルスポーツやレジャー用途に向けた自転車で、10~18kgの重量で変速機を装備しています。このカテゴリーにはロードレーサーや輪行自転車も含まれますが、ジュニア向けは除外されます。

資金調達と季節に応じた在庫管理

  • 商品の多様化が進んでいるため、品揃えを充実させるためにはそれなりの資金が必要となります。
  • 特に需要がピークを迎える3月から4月にかけては、季節に応じた資金調達が効果的です。
    また、仕入れは受注に基づくものではなく、予測に基づいて行われるため、日常的な運転資金の確保も重要です。

自転車販売の季節性と車種別人気トレンド

  • 自転車屋さんの年間の販売トレンドとしては、3月から4月にかけての販売が多い傾向にあります。
    新生活に合わせて、職場や学校などへの移動方法として自転車を選択する人が増えるからだと考えられます。
  • 2019年10月の消費税増税に伴う駆け込み需要の後、翌年は販売が落ち込んでいます。車種別では、一般車やスポーツ車が主流で、特に一般車の販売価格帯は23001円から27000円、スポーツ車は51001円から80000円が主流です。子供車や幼児車も同様の価格帯で人気があり、電動アシスト車は10万円以上の高価格帯で販売されています。

国内外の自転車市場動向と輸入自転車の増加

  • 1989年には、日本国内で生産された完成自転車は約779万台であり、輸入された完成自転車は約86万台でした。しかし、2021年にはこの状況が大きく変化し、国内で生産された自転車は約84万台にまで減少し、一方で輸入自転車は約605万台に増加しました。これは、輸入自転車が市場における大部分を占めるようになったことを示しています。

電動アシスト自転車の市場成長と生産地のシフト

  • 電動アシスト自転車の生産台数は増加傾向にあり、これは注目すべきトレンドです。
    国別に見ると、輸入自転車の大部分を中国が占めており、その割合は98.4%にも上ります。中国製自転車は、低価格だけでなく生産能力や品質の向上もあり、多くの国内メーカーが中国に生産拠点を設けています。

低価格競争と輸入自転車の影響

  • 国内市場では、低価格競争が激しく、安価な輸入自転車の流入が加速しています。これは、長引くデフレや安売り量販店の拡大によるもので、今後も価格を重視した輸入自転車の市場占有率は高いままであると予想されます。

自転車販売チャネルの概要

  • 自転車の販売チャネルは、大規模な製造業者から小規模な企業に至るまでの幅広い部品製造者が、これらの部品を組み立てて完成品を作る製造者(組み立て工場)へと供給するという流れが基本です。
  • その後、これらの完成品は卸売業者を経由して小売店舗に届けられ、最終的に消費者の手に渡ります。
    特に卸売業者は、小売店(自転車屋さん)のネットワークを持ち、大型小売店や大規模販売店では専門の卸売業者を利用することが一般的です。
  • さらに、製造業者は多くの場合、複数の卸売業者に商品を提供し、卸売業者もまた多様な製造業者から商品を仕入れることが普通です。最近では、中間の卸売業者を通さずに直接商品を輸入し、販売するディスカウント店も増えています。

国内外の主要自転車メーカーと部品製造者

  • 国内における自転車の完成品を製造する主要なメーカーには、ブリヂストンサイクルやパナソニックサイクルテックなどが挙げられます。
  • また、部品製造においては、変速機やブレーキなどで世界的にも高いシェアを誇るシマノが特に知られています。

市場動向と自転車への支出増加

  • 自転車の小売業界における店舗数は、1985年に約36245軒あったのが、2021年には約9552軒と大幅に減少しました。
  • この期間に、全事業所における個人経営者の割合が約90%から70%ほどに低下し、法人経営の店舗が増加傾向にあります。
  • 市場全体の商品販売額は、1991年には約2198億円でしたが、2007年には1337億円に減少。その後、2016年には2401億円まで回復しましたが、2021年には再び2313億円と減少しています。

消費者ニーズの変化と市場多様化

  • 家庭における自転車に対する年間支出も、2人以上の世帯を対象にすると、2012年の3103円から2021年には4168円へと、約30%増加しています。
  • 消費者の動向を見ると、2013年から2014年にかけての自転車支出の増加は、消費税が8%に上がったことによるものです。
    しかし、自転車の普及と市場の多様化により、近年は家庭での自転車への支出が増えています。

開業に関連する法律や、資格・融資制度

  • 中古自転車の買取販売を行う場合には「古物商」の許可が必要であり、技術的な信頼性を高めるために自転車安全整備士や自転車技士の資格を取得することが望ましいです。
  • さらに、金融助成措置として、各地域の信用保証協会や市町村の商工会からの融資制度が利用可能です。これらの資金調達オプションを活用することで、経営の安定化と成長を図ることができます。

安全性と財務管理の重要性

  • 安全性に関しては、個人経営の小売店では資産と負債の実態を把握することが重要です。
  • 特に在庫の滞留状況を確認することは、財務状況を理解する上で欠かせません。現金回収を主とするビジネスモデルであるため、季節に依存しない運転資金の需要は比較的少ないと言えます。

自転車産業の構造と部品の共通性

  • 自転車の構造については、フレームを核とした車体部分、操舵を担うハンドル等、駆動を司るペダルチェーン等、走行に関わるタイヤやスポーク等を含む13の主要部品に細分化されています。
  • 自転車は約300種類、1800個の部品で構成され、これらの部品は世界中の自転車で広く共通して使用される互換性を持っています。
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
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