【失敗する?】アイスクリーム屋さんの開業に必要な資格と、儲かる成功の極意。
目次
アイスクリーム屋さんの開業に必要な「準備・手順・流れ」
- 開業エリア・物件の探索
- 事業計画の立案
- 資金調達の実施
- 内装・外装工事
- 営業許可の許可申請
- 開店
アイスクリーム屋さんの開業のメリット・儲かるチャンス
市場規模が拡大傾向にある
- 総務省の調査によると、アイスクリームの国内消費金額が、上昇傾向にあり、7年間で約20%も上昇している。
- 市場規模が小さいマーケットにおいては、このような大きな成長をすることも頻繁にみられるが、アイスクリームの市場規模は5000億円を優に超える規模であることからも「大きさと、成長率の両面を兼ね備える」と言える。
- 具体的には、令和3年度の市場規模は、1000年対比1.2%増の約5300億円となった。
- 気候問題の影響も含め、年々猛暑がマスメディアによって報じられている。
そのため、環境問題とは裏腹に、アイスクリームのビジネスチャンスは広がっていると言える。
少子高齢化でも伸びる商材
- アイスクリームは、咀嚼に筋力を必要としないことからも、子供だけではなく、高齢者からも根強い人気のある商材である。
- そのため、少子高齢化においても、今後の長期的な成長が見込めるマーケットと言える。
「安定性」と「爆発性」を持ったマーケット
- かき氷などの商品は、当然ながら夏に売れる食品であるため、冬には大きく業績を落としてしまう傾向がある。
- しかし、意外なことに「アイスクリームは12月に最も売り上げを伸ばす」というデータがあり「冬でも収益が拡大できる」という特徴を持っている。
一方で、他の月に大きく売上が落ちるかといえば、そうではなく、比較的他の月に関しても、年間通じて売り上げを獲得できる、という強みを持っている。
廃棄ロスが少ない
- アイスは基本的に賞味期限が無い珍しい食品である。
そのため、一部の商品を除いて、比較的廃棄ロスは低いビジネスというメリットがある。
アイスクリーム屋さんの開業のデメリット・リスク
コンビニやスーパーとの競合
- 最近ではネットショップでの購入もできるようになっているが、やはりアイスクリーム屋さんの最大のライバルは「コンビニやスーパーなどの小売店」と言える。
- ハーゲンダッツなどをはじめとして、各アイスメーカーが、専門店に負けないクオリティーのアイスクリームを簡単に安く提供するようになったからだ。
- ネットスーパーによるアイスの販売も増えてきており、高単価の商品が売れており、警戒が必要な競合となってきている。
天候不順
- こればかりはコントロールすることは難しいが、夏場・冬場の天候不順が続くなどが起きた際には、業績に大きく影響する。
- これらのリスクを低減させるためには、デリバリー売上を増やしておくなどが施策として考えられる。
アイスクリーム屋さんの開業に、必要な初期費用・開業資金
- 新規開業の場合、保証金・内装工事費・設備などで、まとまった資金が必要になる。
- 内装工事の費用額は、フードコート・イートインなどの物件によっても大きく異なっている。
- 「調理などが必要ない」というメリットの反面、設備投資がある程度必要になるのが、アイスクリーム屋さんというビジネスの特徴である。
具体的な設備としては下記が必要になってくる。
- ショーケース
- 冷凍冷蔵庫
- フリーザー
- パステライザー
- エレクターシェルフ
- フランチャイズに加盟する場合は、加盟金・研修日が最初に必要になってくる。
- 開業資金を公庫などからの調達によって、賄う場合は、返済計画を綿密に立てて、無理のない負担額に調整をする必要があるが、フランチャイズに加盟する場合は、本部が事業計画等を全面的にサポートしてくれる場合が多いため、手間は大きく下がる。
- アイスクリームは、原材料の仕入れを海外に依存している比率が高いことからも、為替の変動なども含めて開業資金の見積もりが必要になる。
- 下記に、開業資金の事例を挙げておく。
内装費・外装費 | ¥6,500,000 |
保証金 | ¥4,200,000 |
厨房設備 | ¥1,500,000 |
機械設備 | ¥1,200,000 |
開業前人件費 | ¥540,000 |
求人広告費 | ¥170,000 |
販売促進費 | ¥340,000 |
合計 | ¥14,450,000 |
アイスクリーム屋さんの開業を「成功させる」ポイント
「外食」と「中食」の市場が取れる
- アイスクリームは、店内飲食で利用されることも多いが、持ち帰りをする利用者も多い商材である。
- ゆえに、アイスクリーム屋さんは、消費税の増税や、パンデミックなど、様々な外部環境の変化に強いビジネスモデルとなっている。
- 消費税が増税されるなどの外部環境の変更が行われれば、軽減税率の対象となるため、マーケティングを工夫することで、テイクアウト・デリバリーの売り上げを拡大させることもできる。
単価を上げる
- シングルの注文では、基本的に単価が低いため、フレーバーの組み合わせ・トッピング・テイクアウトメニュー・贈答品メニューなどを活用することで、単価を向上させる工夫が必要だ。
コンビニ・スーパーでは出来ない打ち手を増やす
- アイスクリーム屋さんの最大の競合は、コンビニやスーパーマーケットである。
これらの小売店でも多くのアイスクリームを売っているのはいえ、やはりアイスクリーム専門店の方が販売できるアイスの種類は多くしやすい。
そのため、まずは最低限の物件の広さを確保した上で、商品の種類数で競合に上回ることは必要だ。
- 地域特化型の商品を開発したり、自分の店だけのオリジナルメニューを開発するなども有効な打ち手である。
出店戦略
- アイスクリーム専門店の出店エリアは、概ね主要都市に集中をしており、地方では、まだまだ出店数が少ない地域が存在する。そのため、まだ地方においては、新規出店の余地が残っている。
- 加えて、都市圏においても、常に都市開発・商業施設・人気施設などの新規設立などが行われているため、これらに合わせて、新規出店によって稼げそうな物件も定期的に生まれている。
商品開発力の高い、フランチャイズを活用する
- アイスクリーム屋さんの業界は、サーティーワンアイスクリームをはじめとした、大手フランチャイズの展開が多い。
- 海外を発祥とした企業が多く、フランチャイズ本部は、海外であることも多いが、日本人に受け入れられるように、日本人向けのメニューの開発なども行われている。
- 商品の入れ替わりも激しく、定期的に新商品を投入できるというポイントが、フランチャイズ大手の強みと言える。
やはり、個人店では高頻度で、新商品の投下をし続けるのは難しい。
生産性向上
- アプリによる事前注文など、IT投資を進めることで、従業員のオペレーションを効率化させて、少ない人員でも店舗を回せるようにする。
- 事前注文や、オペレーションの磨き込みによって、提供速度が上がれば、回転率も情報するため、収益性が上がっていく。
- フランチャイズなどの場合は、本部が常にIT投資を進めているため、小規模事業者では難しいような生産性向上のための施策が常に動かせる。
環境への配慮
- 消費者は選択肢が多いことからも「環境への配慮のある店舗での購買を選択する」傾向が強まってきている。
- どの業界でも、見られる傾向であるが、アイスクリーム業界でも同様で、環境への配慮などを求められている。
そのため、最近では、ソフトクリームにつけるプレスチックスプーンを、コーンで作って食べられるようにするなどが施策として動いている。
- 実際、環境負荷のイメージが強いプラカップによるアイスクリームの販売は減少傾向になっている。
アイスクリーム屋さんの開業で「失敗してしまう」と儲からないポイント
トレンドを抑えた商品開発力
- 飲食業界では、トレンドの移り変わりが激しく、毎年のように、流行のスイーツが出てくる。
そのため、これらのトレンドを抑えた新商品の開発がアイスクリーム屋さんにも求められているのだ。
- 加えて最近では、単純な素材だけのトレンドを抑えるだけでは不十分とされている。
その時期に流行っているアニメ・ドラマ・映画などのエンタメとのコラボ商品などが無ければ、子供だけではなく、大人の集客もなかなか難しい時代になってきている。
- 加えて、単純に美味しいだけではなく「低糖質」「無添加」などの健康志向のキーワードにも対応した商品開発が求められている。
- しかし、このようなコラボ商品や、機能性を兼ね揃えた商品の企画には、多額の資金が必要となることから、気軽に個人ブランドのような店舗では導入は難しいケースが多い。
- そのため、資金力・ブランド力・専門組織などを持っているフランチャイズ本部に加盟をすると、これらの企画部分を委託することで、常に新規集客がしやすくなる。
キャッシュフローに目を配る
- アイスクリーム屋さんは、繁忙期が夏と冬に分かれていることからも、この時期は多くの仕入れを行う必要がある。
- そのため、この時期に、運転資金が足りないと、在庫が足りないことによる機会損失が大きくなり、せっかくの稼ぎ時を逃し、年間利益が大きく下がってしまうことに繋がりかねない。
そのため、繁忙期に合わせて、必要資金が用意できるのかは常に目を配る必要がある。
- アイスクリーム屋さんの支払い方法は、一般的な飲食店と同じく、現金払いか、月末払いなどが一般的である。
- キャッシュレス化に伴い、現金払いも減りつつあるものの、やはり現金による収益も大きいビジネスであるため、これらの資金は、日々の収益から用意できることも多い。
アイスクリーム屋さんの開業に必要な「資格・免許」は?
- 他の飲食店と同じく、食品衛生法は大きく関係する。
保健所の指導のもと、営業許可が必要になる。
アイスクリーム屋さんの開業に関連する「申請・届出・法令」
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令。厚生省令第五十二号「乳等省令」
- 厚生労働省によって、アイスクリームは乳固形分15%以上で、乳固形分10%以上をアイスミルクとして、乳固形分3%以上入っているものをラクトアイスと定めている。
- イタリアの「ジェラート」は「アイスミルク」に分類されている。
アイスクリーム屋さんの開業は儲かる?開業オーナーの売上事例
売上高 | ¥42,000,000 |
原価 | ¥15,960,000 |
売上総利益 | ¥26,040,000 |
販売費・一般管理費 | ¥40,236,000 |
営業利益 | ¥1,764,000 |
アイスクリーム屋さんフランチャイズの活用
新商品投入が定期的に必要である
- 大手フランチャイズが作り上げた戦略がうまく機能していることからも、アイスクリーム屋さんでは「新商品が常に投下されるのが当たり前」となっている。
- これは個人でゼロから独自ブランドの開業をしようとしている起業家にとっては大変な脅威である。
ただでさえ、忙しい業務の中で毎月のように、新商品の投入をするために企画・研究をし続けるのは労力が大きすぎるからだ。
- そんな小規模事業者の都合とは関係なしに、消費者ニーズは多様化しており、常に新しい商品を探している。
トッピングや、アイスクリームの組み合わせを含めると、膨大な選択肢が顧客にはあるのが当たり前になっているのだ。
- フランチャイズ本部に、新フレーバー・期間限定商品の開発や、各種商品のマーケティング活動などを委託することで、業務にに集中することができる。
- 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
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