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「家具屋・インテリアショップ」の開業に必要な資格と、儲かる成功の極意。

目次

「家具屋・インテリアショップ」の開業のメリット・儲かるチャンス

市場規模が大きい

  • 家具の小売業界は、1982年がピークとなっており、その後事業所の数が徐々に低下してきた。一方で年々、販売総額は上昇している。
  • 事業所の数は下降しているものの、家具関連の輸入額は約6000億円で、輸出額は約900億円となっており、規模の大きさもさることながら、額としても増加していることが分かる。
  • 1世帯あたりの一般的な家具への支出は一時的に減少していたが、2015年からは増えてきている。しかし、部屋の装飾品などに関しては、微減している傾向がある。
  • 家具やインテリアの市場は、新築住宅の開始数に直結しており、2008年のリーマンショック後、一時的に大きく低迷したが、近年では回復の気配を見せている。
    直近の新築住宅の開始数は約100万戸で、2009年の約80万戸から回復してきている。
    さらに、リフォームや中古住宅の売上も上昇しており、家具市場にプラスの効果をもたらしている。
  • 家具市場自体は、かつては新築住宅や結婚式の需要に影響され長い間、縮小してきた。
    しかし、2000年代初めにインテリアに対する関心が急激に高まり、特に若者を中心に市場が活性化して、高級家具の需要も増加した。

ビジネスモデルで差別化をしやすい

  • インテリアという概念は明確な定義が存在せず、それに関連する業種や商品は多岐に渡る。そのため、インテリア関連の小売店も多彩な経営形態や商品ラインナップを持つ。
  • 故に近頃は、純粋なインテリアを扱うだけの店舗ではなく、新しい形の店舗が出現している。
  • 例として、インテリアアイテムとカフェを併設した店舗や、日常生活に関連する多様な商品を提供し、ライフスタイル自体を店頭で提案する場所などが挙げられる。

戦略オプションが多い

  • フランチャイズ形式の店舗、パートナーショップ形式、また海外の特定ブランドに特化した店舗など、様々な業態が存在する。
  • 加えて、オンラインや通信販売を通じて家具やインテリア商品を提供する形態、またはショールームのような形で展示する場所も増えている。
  • インテリアショップとリフォーム関連の業者が連携し、商品やサービスを提供するケースも存在する。
  • 組織戦略についても各社方針が様々であり、販売力の高い熟練の人員を採用・育成し、高単価商材が売れるようにする場合や、販売員にはコストを割かず、基本的にはセルフサービスにしながら、高品質のものを低価格で売る形などがある。

ITツールなどを活用して、営業がしやすくなっている

  • 近年では、インテリアの提案の際、グラフィックソフトウェアを利用して客の希望をビジュアル化したり、色彩やデザインの専門家と協力してアドバイスを行い、客の満足度を高める取り組みが進行中である。

現金商売である

  • インテリアショップの場合、基本的に一般消費者への販売が大部分を占める。その場合、現金やクレジットカードが支払い手段として用いられる。その場合現金の回収は短期間で行われるため、回収の際に問題が生じるケースは稀である。
  • 一方で、法人向けの販売においては、掛売りや後払いの方法が選択されることもあるため注意が必要である。

市場が堅調に推移している

  • 新築住宅の増加や、住宅のリフォーム関連の需要は堅調に推移していることからも、インテリアショップ業界は比較的安定している。
  • しかし、長期で考えると、人口の減少や高齢化が進行する中での住宅需要の低下が考えられる。
  • この背景を踏まえ、単にインテリア製品の販売に止まらず、商品に健康や社会貢献の独自の要素を取り入れたり、ライフスタイル自体の提案を行うなど、様々な切り口で事業を考える必要がある。

「家具屋・インテリアショップ」の開業のデメリット・リスク

既存の競合企業が多い

  • インテリア産業は天井や壁、床などの内部仕上げや家具、カーテン、カーペット、照明器具など、多様な商材を取り扱う。
    そのため、 インテリアに関わる商品やサービスを提供する事業者は多岐にわたる。
  • インテリアの取り扱いは、インテリアショップのみならず、家具専門店、ホームセンター、大型スーパー、生活用品専門店なども取り扱っている。
    このような特性からも、そもそも業界全体の詳細なデータや資料を探すのも難しく、全容の把握は行いづらい。

新規参入による競合企業が多い

  • インターネットやカタログ販売の拡大や、外国企業の参入なども継続的に進んでいる。
  • これらの変動は、インテリア業界だけでなく、家具業界全体に影響を与えている。
  • 競合が増えていくことで、価格競争の激化や輸入商品の増加など、様々な変化が続いている。

長期的には市場が縮小していく

  • 将来的には、人口の減少や高齢化の進行による住宅需要の低下が懸念されており、インテリア業界全体の縮小が考えられる。

大手企業が強い

  • 2004年にニトリの店舗数が100店を超え、2006年にはIKEAの日本進出が話題を呼んだ。
    これらの大手企業の参入により、市場は安定して大きな状態となった。
  • これはメリットとも言えるが、一方で大手企業の売上が大きいことは、これから開業をする起業家や新規事業担当者にとっては必ずしもポジティブな情報とは言えない。
  • 少なくとも、大手が出店を行いかねないエリアは避ける形で出店をする方が良い。
    大手企業はIRやインタビュー記事などの形式で、戦略をある程度公開していることが多いため、必ず読み込む必要がある。

トレンドが激しい

  • インテリア商品は季節や流行の影響を受けやすいため、在庫の管理や適切な仕入れ量の予測が非常に重要である。
  • 世の中の流行り物を完全に予測することは難しいが、毎年繰り返される季節ごとの売れ筋商品のカテゴリを予測することは難しくない。
    そのため、できる範囲でしっかりと計画を立てておき、経営管理をしていく必要がある。

「家具屋・インテリアショップ」の開業を成功させるポイント

コンセプトを明確にする

  • インテリア産業は、家具・カーペット・カーテン・壁材・照明器具・その他のアクセサリー等、居住空間を築き上げる要素を全て包括している。
    そのためインテリア業界は、製造・卸・小売・建築・サービスといった多岐に渡る領域がある。
  • 特にインテリアに関する商品を中心とする小売分野は、複数の業態を有している。大手百貨店からスーパーマーケット、ホームセンター、さらに住居関連の特化した専門店まで、住まいを彩るアイテムを展開している。
  • 独立開業をする際の業態として人気なのは「インテリアショップ」である。
    インテリアショップには特定の定義は存在しないが、インテリア商品およびそれに付随するアイテムを幅広く展開する場所を指す。
    具体的に、どんなコンセプトで展開されているのか下記で解説をする。

SPAモデル

  • 製造から販売まで全てを自社で取り仕切り、独自ブランドを前面に押し出し、大規模な店舗で展開する。

ハイブランド店

  • 輸入した高価格帯のブランドの家具を中心に展開し、直営店や代理店を介して市場に提供する。

オーナータイプ

  • デザイナーや建築家が自らのビジョンやノウハウをもとに開業した店舗。

ライフスタイル提案店

  • 単にインテリアだけに留まらず、多種多様な商品やサービスを通じて、新しい生活様式を顧客に提案する。

メーカー直営店

  • 家具や照明の生産者が直接運営する店舗や、アンテナショップとしての場を持つ。

出店エリアを間違えない

  • 事業コンセプトや戦略によっても、最適な出店エリアは異なるものの、現状の事業所の地理的分布を見てみると、首都圏など人口が密集し購買力が高い地域に集中していることが分かっている。
  • 大都市圏は集客力が高いのに加えて、出店をすることでブランドのイメージを向上させる機会も多い。そのため、新たに店舗を構える企業が多い。

開業資金・企業体力に応じた最適な事業モデルにする

  • インテリアショップの経営の方向性は大きく二つに分けられる。
    一つは、大きな資本を持つ企業が主導する大型化・総合化の動きである。
    これには、独自の商品を低価格で提供する企業や、世界中の高級家具を取り扱う企業が含まれる。
  • もう一つは、特定の分野に焦点を当て、独自性を追求する中小規模のショップである。
    これらの店舗は、顧客との関係の深化や、きめ細かなサービス提供を通じて、差別化を図っている。

顧客にライフスタイルを提供する

  • 近年家具やインテリアの「ホームファッション」としての側面を強まっている。
    ホームファッションは、現代の消費者の多彩なライフスタイルと、個性の表現をするために急速に重要性を増している。
    「住む環境を飾る」という趣旨からも、インテリアのみならず、家具、照明、寝具、タオル、食器、雑貨なども含まれる。
  • アメリカでは、1990年代初頭よりこの分野への注目が集まり、関連する小売業も増加した。
    最近、日本においてもホームファッションの注目度が高まり、新たなライフスタイルの提供を目指す小売業者が拡大している。
    ここでは、高価な商品だけでなく、手頃な価格の商品での豊かな生活の追求も見られる。

在庫回転率が高い商品と、低い商品の構成を最適化する

  • 家具は利益率が高いというメリットがある一方、在庫の回転は遅めというデメリットもある。
  • 逆に、雑貨やルームアクセサリーのような商品は利益率が低い一方で、販売数に関しては伸ばしやすく、在庫回転率も速い。
  • そのため、一概にどちらの商品が優れているのかという話ではなく、それぞれの特性を理解した上で、最適な商品構成を保持・管理することが重要となってくる。
  • インテリア商品は、流行り廃りも激しいため、適切な在庫量に保つ必要もある。
  • 黒字企業と赤字企業の分析をしてみると、黒字の会社は在庫がある程度の量あるものの、商品の回転自体は速く売上も高い事が分かる。
    このことからも黒字化するためには、在庫回転率の管理力が重要であることが分かる。

家具屋・インテリアショップの開業で「失敗してしまう」と儲からないポイント

多様化し、変化していくニーズの変化に気がつけない

  • 2011年3月の東日本大震災の後、家具の買い替えの需要が高ま理、今までよりもより高品質のものを求める消費者の増加に伴い、高価格帯の商品への支出も増えてきた。
  • 消費者のライフスタイルの多様性が増している中で、特定の市場が形成されているのも特徴である。
  • 大手の家具店が撤退する中、特定のニーズを捉えた製品やサービスを提供する業者も存在し、その差別化の動きが見られる。
  • しかし、その市場のニーズを掴み損ねると、経営が急激に悪化するリスクもある。

現金の不足に注意が必要

  • 仕入れの際の支払い方法に関しては、大量の仕入れや高額な取引の場合、手形等での決済が主流だが、少量の仕入れの場合は現金取引をするケースもある。
  • そのため、仕入れのタイミングによっては、運転資金が足りなくなるなどの不足の事態に繋がりかねない。
  • 販売の面でも、一般の消費者が主な顧客であり、支払いは現金やクレジットカードが主となっている。
    現金以外での支払いの場合、実際に入金するまでに多少のタイムラグが発生する。
    何よりも、キャッシュレス決済の場合、店舗側には決済手数料がかかる。
    今後、更なる手数料の値上げなども考えられるため、慎重に導入を判断するべきだ。
  • これらの背景から、常に販売量・在庫量を把握し、現金に不足が出ないように経営管理を徹底する必要がある。

在庫リスクをマネジメントできない

  • 運転資金の構成を見ると、商品の仕入れ関連の出費が中心となる。店の大きさや取り扱う商品によって異なるが、特に高級家具を中心とする店や大型の家具店では、仕入れに伴うコストが高くなりがちである。
  • 当然ながら、仕入れた商品は、販売するまでは在庫となるため、保管費用などの在庫リスクが伴う。
  • 具体的な対策としては、滞留在庫を抑止するため、売れ筋商品の把握を定期的に行い、そもそも売れない商品を仕入れない体制を作ることが重要となる。
    また顧客に対して、実物ではなくカタログ等による提案を行い、注文があった商品だけを仕入れる販売形式を取るのも、運転資金を抑制するためには有効である。

家具屋・インテリアショップの開業に必要な「資格・免許・申請届出」は?

  • インテリアショップ開業には、基本的に特別な資格や免許などは必要ない。
  • しかし、消費者の保護を目的とした法律や、製品の品質面での責任に関する法律や、販売に伴う不適切な表示を禁止する法律などは適用される。
  • 加えてリノベーションなどのサービスを提供する場合は、建築関連の許可が必要となり、リサイクル商品を取り扱う業態を開業する場合は古物商許可が必要となる。

家具屋・インテリアショップの開業に関連する「申請・届出・契約・法律」

製造物責任法

  • インテリアショップの商品の仕入れは、大半が卸売業者や製造会社からのものである。
    仕入先それぞれが市場調査、商品の企画・開発、大量生産の体制、アフターサポート等、特有の特色を持っており、それらが仕入れ価格に影響する。
  • バイヤーが直接海外から商品を仕入れるケースや、企業が海外に製造拠点を持つケースが増えてきたが、製造物責任法上の責任主体の観点から、注意が求められる。
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
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