調剤薬局の独立開業で儲かる成功の極意。メリット・デメリットも解説。

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「調剤薬局」の開業が儲かるメリット・失敗すると儲からないポイント

消費者ニーズと薬局選び

  • 消費者のニーズを分析すると、薬局選びの主要な理由として「病院・診療所からの近さ」と「信頼できる薬剤師の存在」が挙げられています。また、薬剤師には薬の飲み方の説明や、複数の医療機関からの処方薬の確認などが期待されています。

法律要件と保険調剤

  • 法律面では、調剤薬局を開設するためには都道府県知事の許可が必要です。保険調剤を行うためには、薬局と薬剤師がそれぞれ保険薬局の指定と保険薬剤師の登録を地方厚生局長から受けなければなりません。また、医薬分業政策によって、医師と薬剤師の専門性を活かす体制が強化されています。
  • 最近では、薬剤師の負担を減らし、薬剤師にしかできない仕事に集中するためにも、業務を一部ロボット化する議論なども広がっています。

医薬分業の進展と処方せん受取率

  • 医薬分業の進展を示す処方せん受取率は、全国平均で2009年に60%を超え、直近では70%台に達しています。ただし、地域による差異も存在します。

調剤薬局の基準と規制

  • 調剤薬局は厚生労働省令に定められた基準を順守しなければなりません。これには、調剤室の最小面積、待合室の設置、照明の基準、天井や床の材質、バリアフリー法に基づく建築基準などのルールが定められているのです。

大手企業の市場拡大戦略

  • 主要企業の動向に目を向けると、大手調剤薬局企業は中堅の調剤薬局を買収し、ネットワークを拡大しています。例えば、アインホールディングスは全国に100店舗以上を展開する奏調剤の全株式を取得し、完全子会社化しました。他の企業も同様の動きを見せており、医療と介護の連携、医療ICTへの対応、健康経営の推進など、多角的な事業展開を行っています。

地域別の医薬分業率の差

  • 医薬分業の進展は地域によって異なります。例えば、秋田県は約88%で最も高い処方せん受取率を示していますが、福井県は約51%と最も低い数値を記録しています。
    これは、都道府県によって医療サービスの提供形態やアクセスに差があることを示しています。

薬剤師の地域別数と配置

  • 全国平均で人口10万人当たりの薬剤師数は約180人です。地域別では、徳島県が最多の約221人、東京都が約218人、兵庫県が214人となっています。
    一方、沖縄県は約135人と最も少なく、青森県や福井県もそれぞれ145人前後となっており少なめです。

調剤報酬と薬価の公定価格

  • 薬局の主な収入源である調剤報酬と薬価は公定価格で設定されており、おおむね2年ごとに改定され、その傾向は引き下げられています。
    医療と介護の一体化、医療機関の機能分化・強化、在宅医療の充実などを進め、効率化による医療費の抑制と後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用増加による調剤医療費の抑制が目指されています。

かかりつけ薬局への再編

  • 「患者のための薬局ビジョン」という厚生労働省の方針があります。これは、医薬分業の進展に伴い、薬局を患者本位のかかりつけ薬局へと再編することを目指しています。

人材確保と育成の重要性

  • 調剤薬局の事業運営における重要な要素としては、優れた薬剤師や登録販売員の確保と育成、高い定着率、そして患者が気軽に健康相談ができるかかりつけ薬局としての役割を担うこと等が挙げられます。

健康サポート薬局の制度

  • 「健康サポート薬局」に関する制度があり、一定の基準に適合する薬局が都道府県知事への届出を行うことで、健康サポート薬局であることを表示できる制度です。
    基準に適合することは薬局開設者の義務とされ、基準を満たさなくなった場合には変更届の提出が必要です。
  • 「健康サポート薬局」に関する制度があり、一定の基準に適合する薬局が都道府県知事への届出を行うことで、健康サポート薬局であることを表示できる制度です。
    基準に適合することは薬局開設者の義務とされ、基準を満たさなくなった場合には変更届の提出が必要です。

業界大手調剤薬局会社の業績

  • 調剤薬局会社としては、アイ ンホールデ ィングス、日本調剤、総合メディカル、メディカルシステムネットワーク、クオールが業界大手として業績を伸ばしています。

競争激化と異業種参入

  • 医薬分業の進展や異業種からの参入により、競争は激化しています。特に、資本力のある業者による大規模病院の門前への出店が増えており、中小零細や個人経営の薬局は厳しい経営環境に置かれています。

競争激化と異業種からの参入

  • ドラッグストアや、一部の薬のネット販売などが広がった事で、多様な業態との競争が激しくなっています。

市場規模と薬局数の傾向

  • 市場規模の観点から見ると、薬局数は増加しており、特に都市部での増加が顕著です。薬剤師の総数や薬局での勤務者数も増加傾向にあるため、拡大傾向にあります。
  • 調剤薬局の大部分は従業者10人未満の小規模事業所であり、その中でも5~9人規模の事業所が最も多いとされています。
  • 調剤薬局の市場規模とも言える、調剤医療費は7兆円を超える規模で増加していたが、一枚当たりの調剤医療費の低下により、その成長は減速しています。
    それにもかかわらず、処方せんの枚数自体は8億枚を超え、依然として増加傾向にあります。

後発医薬品の使用促進

  • 後発医薬品については、先発医薬品の独占販売期間終了後に発売され、同じ有効成分を持ちながら薬価が安いことが特徴です。政府は医療費の抑制を目的にジェネリック医薬品の普及を推進しており、調剤基本料に加算するインセンティブを設けています。その結果、ジェネリック医薬品の使用は数量・金額ともに増加しています。
  • 後発医薬品の使用促進について、厚生労働省は2013年に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を策定し、その取り組みを進めてきました。患者が後発医薬品に変更するきっかけとして、「薬剤師からの説明」が最も多いことから、調剤薬局におけるジェネリック医薬品の推進が収益向上につながると期待されています。

店舗の新築や改築ニーズ

  • 開業後も、店舗の新築や改築のニーズが強く、特にかかりつけ薬局としての機能強化のため、コミュニケーションスペースの設置が増えています。
    加えて、個別対応のための電子薬歴の導入や、高齢者や要介護者向けの一包化を行うための分包機などの設備投資が進んでいます。

電子薬歴の導入効果

  • 電子薬歴の導入を進める薬局が増えることで、患者の薬歴をデータベース化し、薬の相互作用を迅速に確認できるなど、服薬指導の効果が向上すると期待されています。また、医療用医薬品の在庫管理や発注業務の効率化にも役立つとされています。

在宅業務の実施とその役割

  • 在宅業務については、半数以上の薬局が実施しており、その役割には、医薬品供給、調剤、服薬指導、モニタリング、残薬管理、医療用麻薬の管理、医療福祉関係者との連携などが含まれています。

健康サポート薬局の推進

  • 健康サポート薬局に関しては、かかりつけ薬剤師・薬局の機能を持ち、地域住民の健康の維持と増進を積極的に支援することが重要とされています。これには、医薬品の安全かつ適正な使用の助言、健康相談の受付、地域住民の健康サポートの実施などが含まれています。

調剤プロセスと薬剤師の役割

  • 調剤は薬剤師によって行われる業務です。これには、医師が交付した処方せんの内容を確認(処方監査)、処方に従って薬剤を正確に調製し、再度チェック(調剤薬鑑査)し、患者への情報提供を行う工程が含まれます。

患者誤認防止策

  • 患者誤認防止のためには、処方せんと薬剤情報の照合、患者姓名の口頭確認、薬剤交付後の薬歴照合などが重要です。また、他の医療機関や薬局で処方された薬との相互作用チェックや疑義照会も行います。

運転資金の必要性と季節性

  • 調剤薬局には在庫資金、店舗運営費、人件費などのために、運転資金が必要となります。
    季節性による資金需要の変動が比較的少ないのも特徴です。

薬剤師の配置基準

  • 薬剤師の人数は、1日平均の処方せん枚数に基づいて厚生労働省が定める基準に従う必要があります。また、各店舗には管理薬剤師の配置が必要です。

施設と人員の差別化

  • 調剤薬局は、繁盛店や中規模店を含め、他社との差別化を図るために規定以上の施設および人員を確保する必要があります。これは、患者の安全とサービスの質を維持するために重要です。

調剤薬局の流通経路

  • 調剤薬局は一般の薬局や医薬品販売店と同様に、主に「医薬品メーカーから卸売業者を経由する」という流通経路を取っています。調剤薬局から医療品卸への支払い期限は通常約3カ月弱で、これは調剤報酬の請求と入金の時期に基づいた慣習によるものです。医薬品卸売業からの支払い期限短縮の要請も一般的です。

調剤プロセスの重要性

  • 調剤を行う際には、処方せんの内容確認、適正化のための点検、処方鑑査、正確な調剤実施が行われます。薬剤の特定、分量や用法・用量の適正性、併用薬との相互作用、禁忌の確認、患者情報の収集と管理、臨床検査値の確認などをするのも重要な仕事です。

薬価差益と取引条件の影響

  • 薬の売値は公定価格で設定され、仕入値は卸売業者との交渉によります。この薬価差益は、調剤薬局と医薬品卸売業の間の価格交渉に大きく影響します。
    取引条件(受注形態、配送回数、支払条件など)に基づいた経済合理性のある取引となります。

販売費・管理費のコスト削減

  • 調剤薬局では、売上総利益率に大きな差がつきずらい事から、販売費・一般管理費のコスト削減による収益性改善が重要な論点となります。

電子お薬手帳の利点

  • 電子お薬手帳は、携帯電話やスマートフォンを活用した服用歴の管理ツールです。これには、携帯性の高さ、大容量のデータ保存、服用歴以外の健康情報の管理などのメリットがあります。

「患者のための薬局ビジョン」の策定

  • 患者が院外処方の際に増加する負担に対して不満を募らせたことに対応するため、厚生労働省は「患者のための薬局ビジョン」を策定し、かかりつけ薬剤師・薬局の推進を行いました。これに伴い、調剤報酬改定では、かかりつけ薬剤師指導料や地域支援体制加算などが新設されました。

調剤による技術料と薬価差益

  • 調剤薬局の収益は主に調剤による技術料と薬価差益に基づいています。調剤医療費の約25%が技術料、残りの約75%が薬価で、商品価格は公定価格です。
    報酬の大部分は医療保険から支払われ、残りは患者負担となります。

政策変更による収益率の変動

  • 薬価基準の改定など政策変更の影響を受けやすいため、収益率の変動が生まれやすいビジネスといえます。そのため、安定的な経営基盤の構築の重要度が高く、定期的に運営コストの見直しが必要となります。

在庫管理とキャッシュフロー改善

  • 営業活動によるキャッシュフローを改善するためには、医薬品在庫の適切な管理と、在庫回転率の向上が必要です。医薬品の収入は処方された薬の量に対応した入金となるため、仕入れと入金サイトと支払サイトの期間の一致しないことが課題となっています。
  • 調剤薬局は、厚生労働省の薬局ビジョンに示された政策的展開を受けて、受身的な営業スタイルから能動的な地域での営業活動に移行することが重要となってきています。

かかりつけ薬剤師の役割と満足度

  • 多くの患者がかかりつけ薬剤師を持っており、これらの薬剤師に対する満足度は高いとされています。ただし、健康サポート薬局の届出数は非常に少ないです。

大手ドラッグストアの調剤分野拡大

  • 大手ドラッグストアなどが調剤分野にも拡大をしている事により、薬局業界の競争は非常に激しくなっています。

地域コミュニケーションとかかりつけ薬局機能

  • 薬歴管理を中心に、地域に住む顧客とのコミュニケーションを強化し、かかりつけ薬局としての機能を果たすことが、収益性を改善する上で重要なポイントの一つです。

調剤薬局の形態と特徴

  • 調剤薬局には、大学病院や自治体病院などの前に設置される「門前薬局」と、一医療機関から処方せんを受ける「マンツーマン薬局」、不特定多数の医療機関から処方せんを受け付ける「地域調剤薬局」などの形態があります。これらの形態によって規模や在庫量、必要資金が異なります。
    今後は、在宅や施設で暮らす要介護者への加算や薬学管理料など、調剤報酬の動向に対応することが重要になります。

医薬品医療機器等法の改正

  • 薬事法は2014年に「医薬品医療機器等法」として改正されました。
  • 社会保険診療に関わる調剤売上げは消費税法上非課税である一方で、医薬品等の仕入れは課税されます。

政府系金融機関と地方の融資プログラム

  • 福祉医療機構の医療貸付事業では、医療関係施設や介護老人保健施設などの建設資金を融資しています。これには薬局も含まれます。
  • 資金調達をする上では、政府系金融機関や都道府県の融資プログラムも存在します。

「調剤薬局」の開業に必要な「準備・手順・流れ」

STEP
本記事の読み込みをして、参入を検討
STEP
事業計画の作成
STEP
店舗の図面を作成
STEP
各都道府県の保健所で、図面を共有し相談
STEP
医薬安全課・保健所の窓口・ホームページから、申請書類をもらう
STEP
薬局医薬品製造業許可が必要な場合は、検査設備利用証明書の交付を受ける
STEP
施工会社の選定を行い、内装・外装の工事を開始する
STEP
必要な申請書類の提出を行う
STEP
保険医療機関・保険薬局の指定申請書の提出
STEP
調剤薬局の開業・開設
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「調剤薬局」の開業に、必要な初期費用・開業資金

項目金額
内装工事費¥4,300,000
外装工事費¥5,250,000
調剤機器¥6,850,000
什器・備品¥2,100,000
広告宣伝費¥180,000
求人広告費・研修費用¥580,000
その他費用¥90,000
合計¥19,350,000

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項目金額売上対比率
売上高¥137,000,000100.0%
売上総利益¥44,525,00032.5%
販売費及び一般管理費¥38,692,22528.2%
人件費¥31,302,01022.8%
家賃¥6,810,2155.0%
その他¥580,0000.4%
営業利益¥5,832,7754.3%
  • 本記事の内容は調査時点のもので、独自調査による推測の情報を含んでおります。数値等の情報を含め保証されるものではありません。
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